遺産分割の注意点と対処方法

遺産分割を進める際には、いくつか注意しなければならないポイントがあります。適切に行動しないと大きなトラブルが発生するリスクが高まります。

今回は遺産分割の注意点や正しい対処方法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.遺産分割の流れ

遺産分割の一般的な流れは以下の通りです。

STEP1 相続人調査、相続財産調査

STEP2 遺産分割協議

STEP3 遺産分割協議書を作成

STEP4 相続手続き

遺産分割協議が成立しない場合には、家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てましょう。それでも解決できない場合、遺産分割審判によって遺産分割方法が指定されます。

遺産分割の詳しい方法や流れについてはこちらの記事をご参照ください。

2.遺産分割の注意点

遺産分割を進めるときには、以下の点に注意しましょう。

2-1.相続人を全員参加させる

遺産分割には、相続人が全員関与しなければなりません。

たとえば遺産分割協議を行うとき、相続人が1人でも欠けると無効になってしまいます。

事前に相続人調査をきちんと行い、全員参加させて話し合いを進めましょう。

連絡がとれない相続人や連絡を無視する相続人がいても、省いて協議を進めてはなりません。

2-2.未成年がいる場合

相続人の中に子ども(未成年)が含まれている場合にも要注意です。

子どもと親権者が両方とも相続人になる場合、親は子どもの代理で遺産分割協議に参加できません。親と子どもの利害が対立してしまうためです。

遺産分割協議を行うには、家庭裁判所で「特別代理人」を選任しなければなりません。

親が遺産相続しないなら子どもを代理できますが、子どもが複数いる場合にはやはり利益相反となるので、子どもたちそれぞれについて「特別代理人」が必要です。

2-3.相続財産の範囲に争いがあると遺産分割できない

相続人間で「遺産の範囲」に争いが生じるケースもよくあります。

たとえば「隠し財産がある」と主張されたり、相続人名義の預貯金が「実質的には被相続人の遺産であり、相続財産に含めるべき」と主張されたりする場合などです。

このように相続財産の範囲に争いがある状態では、遺産分割を進められません。まずは遺産内容を確定する必要があります。どうしても話し合いで解決できない場合、訴訟によって決定しなければなりません。

2-4.遺言書がある場合

遺言書によって遺産分割方法が指定されている場合には、基本的に指定された方法で遺産分割を行います。ただし遺言内容に第三者への遺贈が含まれていない場合、相続人が全員合意すれば遺言書と異なる方法による遺産分割も可能です。

●遺言書の有効性が争われる場合

相続人が「遺言書は無効だ」などと言い出して「遺言書の有効性」について争いが生じた場合、遺言書が無効かどうか確定しなければ遺産分割協議を開始できません。話し合いで解決できない場合、「遺言無効確認訴訟」を行う必要があります。

判決で遺言書が無効であることが確定したら、その時点から遺産分割協議を開始します。

2-5.遺産分割後に遺産が発見された場合の対処方法

遺産分割協議後に新たな遺産が見つかるケースもあります。

この場合、基本的には新たに見つかった別の遺産についてあらためて協議して、誰が取得するかを決めなければなりません。

ただ、後に話し合いをやり直すと手間も時間もかかってしまうでしょう。遺産分割協議の際、「後に新たな遺産が発見されたときには相続人○○が取得する」などと定めておくと、協議のやり直しが不要となって手間を省けます。

2-6.遺産分割後に認知が成立した場合の対処方法

遺産分割後に婚外子が現れて、死後認知が成立するケースもあります。

この場合、本来相続人として遺産分割協議に参加すべき人が参加できなかったので、遺産分割協議をやり直すべきとも思われるでしょう。

しかし法律では、遺産分割後に認知が成立した場合、遺産分割協議のやり直しは不要とされています。認知された子どもに対しては「法定相続分に相当するお金」を払って清算する必要があります。

2-7.遺産分割の期限

遺産分割には、法律上の期限がありません。たとえば相続開始後10年以上が経過してからでも遺産分割は可能です。

しかし、遺産分割の時期が遅れると以下のようなデメリットが発生するので注意しなければなりません。


●相続税額が高くなるリスク

相続税は「相続開始後10ヶ月以内」に申告納税しなければなりません。

それまでに遺産分割が成立していなければ、配偶者控除などを適用できず相続税額が上がってしまうリスクが発生します。


●不動産が放置されるリスク

不動産の遺産分割を行わないと、法定相続人の共有状態が続きます。共有状態では活用や処分が困難なので、放置されるケースが多数です。固定資産税などの経費負担は発生するのに収益は得られず、建物が老朽化して近隣住民に被害を与えてしまうリスクも発生します。


●預貯金が失われるリスク

10年以上預貯金を放置していると「休眠口座」扱いとなって公益活動に使われる可能性があります。


●株式が失われるリスク

5年以上株式の権利者が不明な場合、発行会社によって強制買取されたり競売にかけられたりする可能性があります。

遺産分割を適切な方法で進めるには弁護士によるアドバイスやサポートが必要です。京都・滋賀・大阪・兵庫で相続人になられた方がおられましたら、お気軽にご相談ください。

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