こんにちは。
弁護士の益川教親です。
皆さんは、弁護士の日常というと、どのようなものをイメージされるでしょうか?
弁護士は、テレビドラマで見ると派手な仕事だと思われがちですが、普段どんな業務をしているのか、意外と知られていないように思います。
一言に弁護士といっても、注力分野などによって業務にも差はあると思いますが、今回は参考までに、私が普段行っている業務について、お話しさせて頂きます。
このページの目次
1.ご依頼者様(ご相談者様)対応
当たり前ですが、我々弁護士は、ご依頼者(ご相談者)の方から、ご依頼を受けることによって、生活が成り立っています。
そして、我々弁護士の目的は、ご依頼者の方に少しでもご満足頂くことですが、ご依頼者の方ごとに何を重視されるかは異なってきます。そのため、事件を処理するにあたっては、何か進展があり次第、ご依頼者にお伝えして、今後の方針を共に協議していくことになります。
もちろん、ご依頼者によっては、あまり自分に報告せず、弁護士側で業務を進めてほしい等のご要望を頂くので、そのような場合には、おおよその目標と方向性は協議した上で、弁護士が業務を進めることになります。
2.事件処理
次に、弁護士はご依頼を受けた事件の処理を行うことになります。
主に下記のような業務を行っています。
■示談交渉段階
①方針の検討
②現地調査
③ご依頼事件の類似裁判例や文献の調査
④証拠収集
⑤相手方との交渉書面の作成
⑥相手方との電話又は対面での交渉
■裁判(調停)段階
①裁判書面の作成(証拠収集や類似裁判例調査、文献調査なども含む)
②裁判対応(裁判準備、裁判所への出廷、尋問準備など)
この中で、圧倒的に時間がかかるのは、交渉書面の作成と裁判書面の作成です。
示談交渉段階においても、交渉書面が説得的でないと、良い解決案を得ることはできません。
また、裁判においては、裁判官は当事者からの口頭での話よりも、書面を重視する傾向が強いので、この裁判書面の出来が結果に大きく関わってきます。
なので、私も、示談交渉書面や裁判書面の作成に、全力を注いでいます。
ご依頼者から聞き取った内容や証拠、調査した文献や裁判例をもとに、構成をして、書面作成をして、書いた内容を見返して、何度も訂正をするという作業をしています。
私が書いた書面には一文一文に意味がありますし、ご依頼者の方から、何故その文を書いたのかをご質問頂ければ、多くの場合すぐにお答えできるかと思います。
示談交渉書面や裁判書面というのは、1通を作成するだけではなく、何通も何通も作成することが多いです。なので、この書面作成の作業が、一番時間がかかる作業ですし、その意味で弁護士の業務は派手さからは遠いような気がしています(土日祝日などに書面作成をしていることも多いです)。
3.ご依頼案件以外の活動
弁護士の業務には、ご依頼案件の処理だけではなく、顧問業務というのもあります。顧問業務というのは、企業様から月々●万円という顧問契約をして頂き、企業様からの法律が関わる質問にお答えしたり、企業間の契約書等をチェックする作業になります。イメージ的には、企業の法務部のような作業をします。
当事務所は、相続法務と企業法務に特に力をいれており、顧問契約をして頂いている企業様も40社以上あります。そのため、これらの企業様からの日々のご相談にもお答えしています。
また、顧問契約の延長上ではありますが、お客様の法人の委員会(例えば財産をどのように使用するかの委員会や、経営方針に関する委員会)に参加して、意見を述べることもあります。
4.最後に
今回は、弁護士が普段どんな業務をしているのかについて、解説しました。
書面作成など、おそらくイメージよりもかなり地味な仕事かと思います。
ですが、この地味な作業が依頼者の方の笑顔につながることが多いので、私としてもやりがいを感じています。
地道な作業も多いですが、弁護士って案外良い仕事ですよ(笑)、というのをお伝えして、このコラムを締めたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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遺産分割、遺留分侵害額請求、遺言書作成など、遺産相続案件に強い法律事務所であると自負しております。
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