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「単純承認」について弁護士が解説

2024-04-19

相続方法には、単純承認、限定承認、相続放棄の3つの方法があります。

相続人は、この3つの方法のうち、どれにするのかを選択することができます。

この記事では、3つのうち「単純承認」について弁護士が解説します。

「単純承認」について知る機会ですので、良ければ参考になさってください。

1 単純承認

単純承認は、被相続人のプラスの財産とマイナスの負債(借金など)をすべて引き継ぐことです。

借金がある場合には、借金も引き継ぐことになるので、注意するようにしましょう。


2 法定単純承認

単純承認に関しては、「法定単純承認」という制度があります。

法定単純承認とは、法律上当然に単純承認が成立してしまうことをいいます。

法定単純承認が成立すると、それ以降は限定承認や相続放棄ができなくなるため、注意が必要です。

法定単純承認については、民法921条に規定されており、遺産を「処分」した場合や、自分のために相続があったことを知ってから3か月以上相続放棄や限定承認の申述をしなかった場合(熟慮期間を過ぎてしまったとき)、限定承認の相続財産目録に故意に相続財産の一部や全部を記載しなかった場合などに成立します。

詳しくは、「相続放棄するときに「やってはいけない」8つのこと~法定単純承認が成立する事由~」という記事で解説しているので、興味のある方は、参考になさってください。

3 まとめ

今回の記事では、「単純承認」について弁護士が解説しました。

京都の益川総合法律事務所では、遺産相続事件に力を入れて取り組んでいます。

相続トラブルに巻き込まれている、相続に関する悩みがある、相続に関してどのように話を進めれば良いのかわからない、という方は、お気軽にご相談ください。

被相続人の死去後、弁護士への相談はいつが良いか

2024-04-12

被相続人が亡くなったが、まだ相続についてトラブルになっているわけではないという状況でも弁護士に相談してもいいですか?という質問をお受けすることがあります。

そこで、今回の記事では、被相続人の死去後、弁護士への相談はいつが良いかについて京都の弁護士が解説します。

弁護士への相談のタイミングにお悩みの方は、ぜひ参考にされてみてください。

1 早いタイミングでの弁護士への相談がおすすめです

被相続人の死去後の弁護士への相談ですが、できるだけ早いタイミングがおすすめです。

そのため、記事の最初の質問(被相続人が亡くなったが、まだ相続についてトラブルになっているわけではないという状況でも弁護士に相談してもいいですか?)に対するご回答は、「もちろん相談して頂いて大丈夫です」、になります。

早いタイミングでの相談をおすすめする理由は、弁護士相談より前に、ご自身でなさった行動により、思いもよらぬ結果が生じてしまうことを避けるため早いタイミングでご相談頂いたほうが、取れる選択肢が多いことが通常であるからです。

遺産相続問題の弁護士への相談のタイミングについては、「遺産相続問題は弁護士にいつ相談すればよいの?」という記事で詳しく解説しているので、参考になさってください。

2 まとめ

今回の記事では、被相続人の死去後、弁護士への相談はいつが良いかについて解説しました。

京都の益川総合法律事務所では、遺言相続問題に力を入れて取り組んでいます。

法律事務所は敷居が高いとお考えの方も、お気軽にご相談ください。

遺言書の「検認」について弁護士が解説

2024-04-05

遺言書の「検認」という手続きをご存知でしょうか。

名前は聞いたことがあるが、詳しいことを知らない、具体的なイメージができない、という方も多いと思われます。

そこで、今回の記事では、遺言書の「検認」について弁護士が解説します。

興味があるという方は、ぜひ参考になさってください。

1 検認とは

検認とは、家庭裁判所で遺言書の状態や内容を確認して原状を保全するための手続きです。

検認は、遺言書の偽造・変造のリスクを防ぐために行われ、遺言書の保管者又はこれを発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく家庭裁判所に検認を請求しなければならないとされています。

なお、遺言書を発見した場合の対処方法については、「遺言書を見つけた方へ」という記事で詳しく解説しているので、ご参考になさってください。

検認がされているので、遺言書は有効ということですよね?というご質問を受けることが多くあるのですが、答えは「いいえ」です。

検認をしたからといって、当該遺言書が有効ということにはなりません

検認は遺言書が有効か無効かを判断するための手続きではないため、遺言の効力とは関係がないのです。

大切なポイントなので、この機会に覚えておいて頂ければと思います。

2 検認の手続きについて

検認の申立があると、裁判所から相続人に対して、検認を行う日(検認期日)が通知されます。

なお、相続人全員が出席しなかったとしても、検認は行われます。出席するかどうかは、相続人それぞれに任されているのです。

検認期日には、提出された遺言書について、出席した相続人等の立会のもとで封筒を開封して検認がなされます。

検認の手続きについては、「遺言書がある場合の相続手続きの流れや探し方をパターン別に解説」という記事で詳しく解説しているので、よろしければ見てみてください。

3 まとめ

今回の記事では、遺言書の「検認」について弁護士が解説しました。

京都の益川総合法律事務所では、遺言相続問題に力を入れて取り組んでいます。

遺産相続問題が発生していて困っているという方や、どう対応すれば良いのかわからないという方、このタイミングで相談してよいのかわからないという方も、お気軽にご連絡ください。

被相続人に債務があった場合の取扱いについて

2024-03-29

相続に際して、被相続人に債務があるという場合があります。

債務が多額であり、プラスの相続財産がないというようなケースであると、相続放棄を検討することになると思われます。

そうではなく、債務もあるが、債務以上にプラスの相続財産があるという場合には、相続放棄をすることなく、相続をする、という方が多いのではないでしょうか。

相続放棄をすれば、債務を相続することはありませんが、相続放棄をしない場合、債務はどのような取扱いがなされるのでしょう。

そこで、今回の記事では、被相続人に債務があった場合に取扱いについて解説します。

よくわかっていない、という方は参考にされてみてください。

1 債務の取扱い

金銭債務は、相続によって、各相続人に相続分に応じて承継されます。

たとえば、夫が死亡し、夫には生前に債務が100万円あった、相続人は妻と子ども1人であり、どちらも相続放棄をしていないという場合ですと、妻と子ども、それぞれ50万円ずつ債務を承継することとなります。

2 異なる合意があった場合の取扱い

では、遺産分割協議において、相続人間で1人の相続人が債務をすべて承継すると合意したときは、どのような取扱いになるでしょう。

この合意は、相続人の間では有効です。

しかし、債権者から、債務をすべて承継するとされた相続人以外の相続人に対して請求があった場合に、この合意を根拠にして支払いを拒むことはできません

3 まとめ

今回の記事では、被相続人に債務があった場合の取扱いについて解説しました。

京都の益川総合法律事務所では、遺産相続事件に力を入れて取り組んでいます。

遺産相続事件についての初回法律相談は無料としていますので、お気軽にご相談ください。

遺留分減殺請求を行って、居住していた不動産の所有権を取得することに成功した事案【相続解決事例⑪】

2024-03-22

・キーワード

遺留分減殺請求、示談交渉

・ご相談内容

ご依頼者は、ご子息を亡くされたお母様です。ご依頼者は、被相続人であるご子息名義の土地建物に居住されていたところ、当該土地建物がご子息の奥様に遺贈されたようであり、困っているということで、当事務所にご依頼されました。

・当事務所の対応及び結果

受任後、相手方に対して速やかに内容証明郵便を送付して、交渉を開始しました。

ご子息は、全財産を妻に相続させるという内容の遺言を作成されていたことが判明し、ご子息夫妻には、子どもがおられなかったので、遺留分減殺請求を行い、粘り強く交渉した結果、ご依頼者の遺留分以上の、ご依頼者が居住している土地建物の所有権を取得することに成功しました。

※相続法改正前の事案であるため、「遺留分減殺請求」という表現を用いています

・コメント

ご依頼者がご高齢だったため、弁護士がご自宅に伺って、意思確認や事情聴取を丁寧に行いました。

当然のことながら、ご依頼者は、長年居住されている土地建物について、何とか今後も住み続けたいというご希望を強くお持ちでしたが、ご依頼者の遺留分を超える請求となるため、いかに交渉をうまく進められるかがポイントとなりました。

相手方に対しては、被相続人であるご子息のご依頼者に対するお気持ちや、土地建物についてご子息の名義となった経緯等について丁寧に説明して、最終的には、相手方が当方の請求に応じてくれました。結果、ご依頼者のご希望を叶えることができたため、大変喜んで頂けました。

本件では、法的には難しいご希望であっても、諦めることなく粘り強く交渉することで、結果を出すことができ、弁護士としても、とても嬉しい事案となりました。

※事件の内容については、特定できない程度に抽象化しています

遺産分割事件を弁護士に依頼するメリットについて

2024-03-15

遺産分割のトラブルについて、弁護士に頼まず、ご自身でも対応できるのではないかとお考えの方もいらっしゃるように思います。

そこで、この記事では、遺産分割事件を弁護士に依頼するメリットについて解説します。

弁護士への相談や依頼を迷っている方は、参考にされてください。

1 事件について法的なアドバイスを受けることができる

遺産分割事件について弁護士が依頼を受けた場合、弁護士は、事実関係に基づいて法的な検討を行うので、ご依頼者は事件について法的なアドバイスを受けることができます

ご自身で判断ができなかった事項や知識として知らなかった事項についても指摘を受けることがありますので、ご依頼者にとって大きなメリットとなります。

2 直接相手方とやりとりをする必要がなくなる

遺産分割事件について弁護士に依頼された場合、通常、相手方とのやりとりは弁護士が行います。

相手方との直接のやりとりがストレスだとおっしゃる方も多く、ご本人が直接相手方とやりとりをする必要がなくなれば、ストレスが軽減されることとなり、ご依頼者にとってのメリットになると思われます。

3 自分の有利になるように交渉してもらえる

弁護士は、ご依頼者の利益となるよう法的主張を行い、交渉をします。

適切に法的な主張がなされるか否かが重要なポイントとなります。

ご本人では、どのように法的な主張をすればよいのか、どのような証拠を提出すればよいのかについての知識が十分でないことが多いので、弁護士が適切な法的主張を行ったうえで交渉をすることは、ご依頼者の大きなメリットとなります。

4 まとめ

今回の記事では、遺産分割事件を弁護士に依頼するメリットについて解説しました。

京都の益川総合法律事務所では、遺産相続事件に力を入れています。

ご相談者のお話をしっかりとお聞きすることを心がけておりますので、法律事務所は敷居が高いと思っていらっしゃる方も、お気軽にご相談ください。

「相続分の譲渡」について弁護士が解説

2024-03-08

相続に関して、「相続分の譲渡」という制度があります。

相続トラブルに巻き込まれたくないという場合や、相続人が多いため、相続人を少人数としたいというような場合に用いられることがあります。

相続分の譲渡の内容や効果などについて知らないという方のために、この記事では、「相続分の譲渡」について弁護士が解説します。

1 相続分の譲渡

相続分の譲渡は、自己の相続分を他者に譲ることです。

譲渡する相手に決まりはなく、譲渡人が自由に選ぶことができ他の相続人でも、第三者でも可能です。

また、相続分の全部のみならず、一部のみを譲渡することもできます

相続分の譲渡について、対価をもらってもいいですし、対価をもらわずに無償とすることも可能です。

相続分の譲渡ができる時期は、遺産分割協議の成立する前とされています。

2 相続分の譲渡の効果

相続分の譲渡により、譲受人は、譲渡人が持っていた相続分を取得し、遺産分割手続きに関与することになります。

譲渡人は、遺産分割協議の当事者とはならず、遺産分割協議に参加する必要はないとされています。

ここで注意する必要があることは、相続分の譲渡によって、相続債務も譲受人に承継されることになるのですが、債権者との関係では、譲渡人は相続債務を免れることができない、すなわち、債権者から譲渡人に対して請求がなされた場合に、譲渡人は相続分の譲渡をしたからといって、債務を免れることができない、ということです。

これ対して、相続放棄の場合には、相続放棄をすることによって、はじめから相続人でなかったこととなるため、債務について相続することはありません

相続放棄については、「相続放棄をしたい方へ」というページや「相続放棄のデメリットについて弁護士が解説」「相続放棄のメリットについて弁護士が解説」という記事で詳しく述べていますので、興味のある方はご覧になってみてください。

3 まとめ

今回の記事では、「相続分の譲渡」について弁護士が解説しました。

京都の益川総合法律事務所では、遺産相続事件に力を入れて取り組んでいます。

当事務所では、遺産相続問題についての初回法律相談は無料としていますので、遺産相続問題についてお悩みがある方は、お気軽にご相談頂ければと思います。

当事務所での初回法律相談については、「当事務所での初回法律相談をご検討中の方へ」という記事がありますので、参考にされてみてください。

「相続分の放棄」について弁護士が解説

2024-03-01

「相続分の放棄」という制度をご存知でしょうか。

相続放棄と名前が似ていますが、その内容は異なります。

そこで、この記事では、「相続分の放棄」について弁護士が解説します。

この機会に、「相続分の放棄」について、知って頂ければと思います。

1 相続分の放棄

相続分の放棄は、相続人がその相続分を放棄する制度です。

相続分の放棄により、他の相続人の相続分が増えることとなります。

2 相続放棄との違い

相続分の放棄と相続放棄とは、名前が似ているために間違えられやすいのですが、異なる内容の制度です。

違いとしては、以下のようなものがあります。

①相続分の放棄では、相続放棄と異なり、相続債務の負担を免れることはできません。

②相続分の放棄は、相続放棄と異なり、相続開始後、遺産分割が完了するまでに行えばよく、また、方式に決まりはありません。

③相続分の放棄では、相続放棄のように相続人としての地位を失うことはありません。

特に①については、仮に相続債務を免れたいという場合には、相続分の放棄ではその目的を達成できないため、注意する必要があります。

3 まとめ

今回の記事では、「相続分の放棄」について弁護士が解説しました。

京都の益川総合法律事務所では、遺産相続事件に力を入れて取り組んでいます。

相続に関するお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

当事務所での初回の法律相談をご検討中の方へ

2024-02-23

当事務所ホームページにおいて、「初めて弁護士に法律相談をするときのコツ」というテーマのコラムを掲載させて頂いていますが、今回は、当事務所での初回の法律相談をご検討中の方へ向けて、当事務所からお伝えしたいことを書いていきます。

1 遺産相続問題についての初回法律相談料は無料です

よく、「相談料はかかりますか?」というご質問を頂くのですが、当事務所では、遺産相続問題についての初回法律相談料は無料ですので、ご安心ください。

また、特に時間制限も設けておりません

ご相談者の中には、弁護士は多忙だろうから、と急いで話をしようとしてくださる方もいらっしゃいますが、初回の法律相談は、ご相談内容を詳細に把握するため、弁護士との相性を確認するためにもとても重要ですので、時間を気にせずに、お話をして頂きたいと考えています。

2 法律相談をしたからといって、必ず依頼しないといけないということはありません

法律相談をしたら、依頼をしないといけないのではないか、という心配をされる方もいらっしゃいますが、そのようなことはありません

事件の見通し、弁護士費用、弁護士との相性などを考慮して、ご依頼されるかについてはしっかりとご判断頂ければと思います。

もちろん、当事務所においても、ご依頼されるメリットがあるかについての意見は率直に伝えさせて頂いています。

3 話しやすいように配慮させて頂きます

特に、初めて法律相談に行くという方にとって、法律事務所は緊張してしまう場所であると思います。そのため、行くのが億劫だ、というふうに思われることも理解できます。

当事務所では、そのような方にも、できる限りリラックスしてお話して頂けるよう配慮させて頂いています。

また、何から説明すれば良いのかわからない、という方に対しては、弁護士から質問をさせて頂きますし、説明したいことをまとめて来た、という方に対しては、しっかりとお話を聞かせて頂いています。

弁護士にうまく説明できるか心配だという方も、安心してご相談頂ければと思います。

4 まとめ

今回のコラムでは、当事務所での初回の法律相談をご検討中の方へ向けて、当事務所からお伝えしたいことについて述べました。

当事務所での初回の法律相談をご検討中の方の一助となれば幸いです。

京都の益川総合法律事務所では、遺産相続事件に力を入れて取り組んでいます。

相続に関するお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

「相続廃除」とはどのような制度か弁護士が解説

2024-02-16

相続に関して、「相続廃除」という制度がありますが、あまり耳なじみのない方が多いか思います。

そこで、この記事では、「相続廃除」とはどのような制度か弁護士が解説します。

この機会に、「相続廃除」について、知ってください。

1 相続廃除

相続廃除は、遺留分を持つ推定相続人に、被相続人に対する虐待や重大な侮辱があったとき、その他の著しい非行があったときに、被相続人が請求や遺言によって、その推定相続人の相続権を奪う制度です。

相続廃除の対象となるのは、遺留分を持つ推定相続人(配偶者、直系尊属、直系卑属)のみです。

遺留分を持たない兄弟姉妹は対象になりません

そして、相続廃除ができるのは、被相続人のみです。

2 相続廃除の3つの要件

相続廃除の要件は、①虐待、②重大な侮辱、③その他著しい非行の3つです。

虐待は、被相続人に対する暴力などの身体的苦痛を与える行為や身体的苦痛を与える行為をいいます。

重大な侮辱は、被相続人の名誉や感情を毀損する行為をいいます。

その他著しい非行は、抽象的な表現となっていますが、虐待や重大な侮辱と匹敵する程度の行為であるといわれています。

3 相続廃除の2つの方法

相続廃除の方法は、①生前廃除、②遺言廃除の2つです。

生前廃除は、被相続人が相続廃除を家庭裁判所に請求する方法です。

遺言廃除は、被相続人が遺言で相続廃除の意思表示をして、被相続人の死亡後に遺言執行者が相続廃除を家庭裁判所に請求する方法です。

4 相続廃除の効果

相続廃除の請求が認められた場合には、対象となった推定相続人の相続権が剥奪されます。

5 相続廃除の取消し

被相続人は、相続廃除の取消を家庭裁判所に請求することができるとされています。

被相続人の存命中は、被相続人が家庭裁判所に請求し、被相続人の死亡後は、遺言執行者が家庭裁判所に請求します。

6 まとめ

今回の記事では、「相続廃除」とはどのような制度か弁護士が解説しました。

京都の益川総合法律事務所では、遺産相続事件に力を入れて取り組んでいます。

相続に関するお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

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