弁護士の力量で結果が変わるのか

こんにちは。

弁護士の益川教親です。

今回は、弁護士の力量(能力)で結果が変わるのかについて、話をさせて頂きます。

時々、ご相談者や友人から、誰に弁護士を依頼するのかで結果が変わるのかという趣旨のご質問を頂くことがあります。

これに対しては、「誰に弁護士を依頼するかで、結果は大きく変わります」とお答えしています。

そうじゃなきゃ、私も日々研鑽を積みません(笑)

以下では、相続案件のような紛争案件で、一体なぜ弁護士によって結果が変わるのかについてご説明します。

まず、相手方と争いになっている事件では、お互い自身に不利なことは自分から言わないので、当方にとって有利なことは自身で言わなければ、交渉の際に考慮されないですし、裁判所も考慮してくれません

そして、実は、自分にとって「有利なこと」を見極めるのはそんなに簡単ではありません。

私も依頼者の方が有利だと思って話してくださったことを、それは当方にとって不利に働くので主張しない方が良いですとお伝えすることが少なくありません。

その主張が、争いになっているある場面では有利に働くものの、違う場面では決定的に不利に働くこともあります。

なので、そもそも何が自分に有利かを正確に判定する必要があります。

私も交渉や裁判をしていて、相手方に対して、一体なぜ相手方は自己に不利な事実を(有利だと思って)主張するのだろうと思うことがあります。

もちろん、相手方のご依頼者が当該事実を主張したい等の事情があることもあるでしょうが、明らかにそうではないように見受けられることもあります。

また、相手方に対して、明らかに相手方に有利になる主張があるのに、一体なぜその主張をしないのであろうと思うこともあります。

このように、自己に有利な事実を見極めて、有利な主張のみするというのは、意外と簡単ではありません。

そして、交渉や裁判では、自己に有利な主張をしても、基本的には、証拠がなければ、その事実の存在を認めてもらえません

なので、ご依頼者に当該事実を基礎付ける証拠をもらう必要があるのですが、どのような証拠が必要になるかを判定して具体的に依頼できるかも弁護士の力量によって変わるかと思います。

さらに、相手方との交渉が決裂した場合には、調停や訴訟といった形で裁判所を介在して紛争の解決を目指すことになります。

この場合、裁判所から、今回の事案はこういう解決でどうですかとの形で、調停案や和解案というのが提示されることが多いです。

この調停案や和解案が自身に有利であれば良いのですが、当然不利な案を出されることもあります。

この不利な和解案を出された場合が弁護士の力量によって変わる部分だと思います。

へらへら笑って裁判所にこびへつらうのか、裁判所に怒りをあらわにして法的主張をぶつけて納得できるような案を提示するよう要求できるのかで、結果は大きく変わります。

もちろん、後者を選択すると、弁護士にとっては疲労感が溜まりますし、精神力も使うのですが、後者を選択することによって、結果が変わることが多々あります。

当然、裁判官の性格も考えながら、不利な案を出された時の対応を考える必要があるのですが、裁判官も人間なので、弁護士や当事者が怒りをあらわにしていたら、考え直してくれることもあるのです。

もちろん、怒りをあらわにするだけで、法的主張をして裁判官を説得しないのは駄目です(笑)

このように、誰に弁護士を依頼するかで、結果は大きく変わると思いますし、私はそう信じています。

私自身も、相手方から、なんでこの主張(当方にとって有利な主張)をしないんだと思われないように、今後も研鑽を積んでいきたいと思います。

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