遺言書の書き方や注意点を書式つきで弁護士が解説

遺言書を作成するときには、無効にならないように正しい要式を守らなければなりません。

また、トラブルを防ぐためには、「遺留分」にも配慮する必要があります。

今回は正しい遺言書の書き方を書式付きでご紹介し、トラブルを招かないための注意点を京都の弁護士がお伝えします。

遺言書を作成する方はぜひ参考にしてみてください。

1.遺言書の書式

まずは典型的な遺言書の書式を確認しましょう。

2.遺言書の書き方

上記の書式を参考に、具体的な遺言書の書き方と注意点をお伝えします。

なお、この記事では「自筆証書遺言」を前提にご説明します。

自筆証書遺言とは、遺言者が全文を自筆する遺言書です。

できあがった遺言書は自分で管理する他、法務局に預けることもできます。

2-1.使用する紙やペンについて

自筆証書遺言を作成するとき、使用する紙やペンに指定はありません。

ただし鉛筆など消えてしまう可能性のあるものは不適切です。

消えないボールペンや油性ペンなどを利用しましょう。

2-2.全文自筆で書く

自筆証書遺言は、全文を遺言者が自筆しなければなりません。

一部でもパソコンを使ったり代筆をお願いしたりすると、無効になってしまいます。

日付やタイトルも含め、必ずすべての部分を自筆しましょう。

■遺産目録は例外

近年の法改正により、遺言書に添付する遺産目録のみ、自筆でなくてもよいことになりました。遺産目録とは、遺産内容を示す表です。

遺産目録については、パソコンを使って作成してもかまいません。不動産の全部事項証明書や預貯金通帳のコピーをそのまま添付する方法も有効です。

ただし遺産目録を自筆しない場合でも、目録のすべてのページに遺言者が署名押印しなければなりません。

単純に預金通帳のコピーなどを付けるだけでは無効になってしまうので注意しましょう。

2-3.遺産の相続方法を指定する

次にどの遺産を誰に引き継がせるのか、記載していきます。

このとき重要なのは、相続人の表示と財産の表示です。

■相続人の表記方法

相続人については被相続人との続柄、氏名、生年月日で特定します。

■財産の表記方法

財産については以下のように表記しましょう。

□不動産の表記

不動産については、登記事項証明書の「表題部」の記載をそのまま引き写してください。

土地の地番や建物の所在、家屋番号などの部分です。

住所表示とは異なるので、注意しましょう。

登記事項証明書は法務局へ申請すれば取り寄せられます。

□預貯金の表記

預貯金については、金融機関名と支店名、口座の種類、口座番号で特定します。

支店名が抜けたり口座番号を間違えたりすると、後に相続手続きを受け付けてもらえない可能性があるので、慎重に記載してください。

□株式の表記

株式については発行会社名と株式数により特定します。どこの証券会社に預けているのかも記載しましょう。

2-4.遺言執行者を指定する場合

遺言書で遺言執行者を指定しておくと、スムーズに相続手続きを進めやすくなります。

遺言執行者を指定する際には、その人の氏名や住所を記載しましょう。

上記の書式は弁護士を遺言執行者として指定するものです。

2-5.日付を入れる

遺言書には必ず日付を入れなければなりません。

作成した日付を自筆で記入しましょう。

2-6.署名押印する

遺言者が署名押印しなければ遺言書は有効になりません。

印鑑は認印でも有効ですが、信頼性を高めるためには実印を使うとよいでしょう。

3.遺留分にも配慮が必要

遺言書を作成する際には、相続人の「遺留分」にも配慮すべきです。遺留分とは一定の相続人に保障される最低限度の遺産割合です。

遺留分を侵害すると、死後に遺留分侵害額請求が起こってトラブルになるリスクがあるので、なるべく遺留分を侵害しないようにしましょう。

どうしても遺留分を侵害せざるをえない場合、付言事項で相続人へ遺留分侵害額請求をしないように伝えたり、侵害者(遺言により財産を多く取得する人)へ死亡保険金を受け取らせたりする対策方法を検討すべきです。

4.最後に

弁護士にご相談いただけましたら、今回ご説明した内容を踏まえて、遺言内容をご提案できますし、トラブルを可能な限り防止する方法もお伝えいたします。

京都・滋賀・大阪・兵庫で遺言書を作成しようと考えている方は、お気軽に当事務所までご相談ください。


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