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他の相続人に時価よりも低いと思われる代償金を支払って相続不動産を取得した上、過去の賃料分配もなしにした事例【相続解決事例⑧】
・キーワード
遺産分割調停、代償金支払い、賃料支払い
・ご相談内容
ご依頼者はご自身所有の土地(両親からの相続)を収益用の駐車場として使用されていましたが、その駐車場の一部に遺産分割されていない別の土地(祖母名義)があることが判明し、当事務所へ相談に来所されました。
祖母は既に死亡し、また、他の相続人(ご依頼者からすれば伯父や伯母、いとこなど。)とも疎遠であったこと、既に収益用の駐車場としてご依頼者が利用していることから、どのような解決があるか、駐車場をやめなければならないのでは、と不安になって来所されました。
・当事務所の対応及び結果
当事務所に相談後、弁護士は当該土地の利用状況や各相続人の持分などを調査した結果、祖母の遺産分割調停を申し立てた上で、当該土地のご依頼者以外の各持分の買い取りを提案、代償金を支払うことが最もご依頼者に有益であると判断し、調停申立を行いました。
当該土地はご依頼者の土地を通ってしか行くことのできない、いわゆる囲繞地であったこと、路線価の無い土地であったこと、駐車場にする前もご依頼者やご両親が長年、一帯の土地として居住・使用してきた土地であることを主張し、固定資産評価額に近い時価より低いと思われる金額での買い取りを行う事ができました。
なお、当該調停においては、過去の賃料の分配もなしにした解決にできています。
・コメント
当該土地を収益用の駐車場として使用されていましたので、現状のままご依頼者の所有にすることができ、また、時価より低廉と思われる金額で買い取ることができ、ご依頼者には大変満足して頂ける結果になりました。
※特定できない程度に内容をぼかしています。

当事務所は、1983年創業の老舗法律事務所です。
遺産分割、遺留分侵害額請求、遺言書作成など、遺産相続案件に強い法律事務所であると自負しております。
お悩みの方は、是非お気軽にお問い合わせ下さい。
遺産分割と生前贈与の関係について
遺産分割を行う際、高額な生前贈与を受けた相続人がいたら、「特別受益」になる可能性があります。
特別受益を受けた相続人がいる場合、特別受益の持戻計算を行って各相続人の相続割合を修正する必要があります。
生前贈与を受けた相続人がいると、特別受益の持戻計算を巡って相続人同士でトラブルになるケースも少なくありません。スムーズに遺産相続できるよう、正しい知識をもって対応しましょう。
今回は、生前贈与により特別受益が成立する範囲や、生前贈与を受けた相続人がいる場合の対処方法についてお伝えします。
1.特別受益が成立する範囲
特別受益とは、特定の相続人が遺贈や贈与によって受けた利益です。
高額な財産を遺贈されたり生前贈与を受けたりした相続人がいる場合、遺贈や贈与された財産を無視して法定相続分通りに遺産分割すると、不公平になってしまいます。そこで、遺贈や生前贈与を受けた相続人がいる場合、その相続人の遺産相続分を減らせるのです。
その計算方法を「特別受益の持戻計算」といいます。
特別受益が成立するのは、以下のような遺贈や贈与が行われた場合です(民法903条)。
- 遺贈
- 婚姻や養子縁組のための贈与
- 生計の資本としての贈与
生前贈与が特別受益になる場合、贈与が行われた時期に制限はありません。相続開始の10年前でも20年前でも、相続人へ贈与が行われたら特別受益の持戻計算の対象になります。
■特別受益と遺留分の期間の違い
特定の相続人へ生前贈与が行われると、「遺留分侵害額請求」の対象になる可能性もあります。
遺留分侵害額請求とは、兄弟姉妹以外の相続人に認められる遺留分が侵害されたとき、侵害された金額の支払いを求めることです。
遺留分侵害額請求の場合、対象となるのは「相続開始前10年間の特別受益」です。つまり相続開始前10年間の期間制限が適用されます(民法1044条3項)。
これに対し、特別受益の持戻計算の場合には10年の期間制限がありません。
特別受益と遺留分侵害額請求では「生前贈与が行われた時期」の考え方が違うので、間違えないように注意しましょう。
2.特別受益の持戻計算の基準時
生前贈与が行われたために特別受益の持戻計算を行う際には、贈与財産を評価しなければなりません。
例えば、不動産が贈与されたときには、贈与時と相続開始時と遺産分割時で価値が変動するでしょう。いつの時点の評価額を基準時とすべきか定める必要があります。
生前贈与が行われた場合の贈与財産の評価時は、基本的に「相続開始時」と理解されています。
例えば、生前贈与された不動産の価額が、以下の通りだったとします。
- 贈与時…1500万円
- 相続開始時…2000万円
- 遺産分割時…2300万円
この場合、不動産は2000万円の評価の資産として計上します。
現預金の場合
現金や預金の場合、不動産のように価額が変動しません。
しかし、貨幣価値が変わるので、贈与された価額をそのまま適用すると不都合が生じるケースも考えられます。
そこで、理屈上は、物価変動率を考慮して、生前贈与時の価値を相続開始時の価値にスライドさせて調整を行うこととなりますが、実務上このような処理をすることは滅多にありません。
3.生前贈与が行われるとトラブルが大きくなりやすい
生前贈与が行われると、一部の相続人が「特別受益の持戻計算を行うべき」と主張し、他の相続人は「特別受益を受けていない」と反論するなどして、もめてしまうケースが多々あります。相続人同士で話し合っても解決できない場合には、遺産分割協議が成立しません。
家庭裁判所で遺産分割調停を行う必要があります。
調停では調停委員が間に入って話し合いを進めてくれますが、調停でも解決できない場合には遺産分割審判になって、裁判官が遺産分割の方法を指定します。
審判になると特別受益があったのか、特別受益の評価額なども裁判官が判断するので、ようやく最終的に決着がつきます。
このように、生前贈与が行われると相続トラブルが大きくなりやすいので、スムーズに解決するために弁護士に依頼するようおすすめします。
4.配偶者への贈与の場合の推定
特別受益の持戻計算が適用されると、相続人同士でトラブルになってしまうケースが少なくありません。
もめごとを回避するためにはどうすれば良いのでしょうか?
具体的には、被相続人が特別受益の持戻計算を免除できます。
例えば、遺言書などで「長男への贈与について特別受益持戻計算を免除する」と書き残していれば、特別受益の持戻計算は適用されません。
また、20年以上連れ添った配偶者へ居住用の不動産を贈与した場合には、特別受益の持戻計算の免除意思が推定され、基本的に免除されます。
被相続人が特に「特別受益も持戻計算を免除する」と意思表示しなくても、持戻計算の免除意思が推定されるのです。
5.まとめ
生前贈与が行われると、相続人同士でトラブルになって解決が困難となるケースも多々あります。
京都の益川総合法律事務所では、遺産相続案件に力を入れて取り組んでいますので、お悩みの際にはお気軽にご相談ください。

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祭祀承継と相続について
仏壇や神棚、墓地などの「祭祀財産」は遺産分割の対象になりません。
遺産分割協議で承継者を決めるのではなく、「祭祀承継者」へと承継されます。
今回は、祭祀財産の承継方法や相続税との関係について解説しますので、仏壇やお墓などの取り扱いに迷われている方はぜひ参考にしてみてください。
1.祭祀財産とは
祭祀財産とは、先祖を祀るための財産です。
祭祀財産は、遺産分割の対象になりません。遺産分割協議とは別に、祭祀承継者を決める必要があるので注意しましょう。
祭祀財産には以下の3種類があります。
1-1.「祭具」
祭具とは、祭祀(先祖を祀る儀式など)に使用するものを意味します。例えば、仏像、仏壇や位牌、神棚などです。但し、仏壇が建物と一体化している場合の仏間は祭具に含まれず建物の一部となります。
1-2.「系譜」
系譜は、いわゆる家系図です。先祖代々の人の氏名やつながりなどがかかれています。
巻物や掛け軸などとして代々受け継がれているケースがあります。
1-3.「墳墓」
墳墓は先祖の遺骨や遺体が葬られている設備です。例えば、墓碑や墓地、霊屋、埋棺などが該当します。
2.祭祀財産を承継する人
人が死亡して祭祀財産が遺された場合、誰が祭祀財産を承継するのでしょうか?
祭祀財産は「祭祀主宰者」が承継すると考えられています。祭祀主宰者とは、法事などの先祖を祀る儀式を執り行い、祭祀財産を管理する人です。
祭祀主宰者となって祭祀財産を承継する人を「祭祀承継者」といいます。
先祖代々伝わるお墓や仏壇仏具、家系図などは遺産分割の対象にならず、「祭祀承継者」が承継しなければなりません。
3.祭祀承継者を決定する方法
祭祀承継者は、以下の方法で決定します。
3-1.先代による指定
まずは、先代の祭祀主宰者による指定内容が優先されます。例えば、遺言などによって次の祭祀承継者が指定されていたら、その人が次の祭祀主宰者として祭祀財産を承継します。
3-2.慣習
先代による指定がない場合には、慣習によって祭祀承継者が決まります。
例えば、地域的な慣習や一族に伝わる慣習があれば、それらの基準で祭祀承継者を決めましょう。
指定がない場合、相続人による話し合いで祭祀継承者を決めることも可能です。
遺産分割協議とは別に、祭祀承継者について話し合って次の祭祀主宰者を決定しましょう。
3-3.家庭裁判所が指定
故人が祭祀承継者を指定しておらず慣習もなく相続人の話し合いによっても祭祀承継者が決まらない場合には、家庭裁判所が祭祀承継者を指定します。
まずは、関係者が家庭裁判所へ祭祀承継者指定調停を申し立てて、そちらで話し合うのが通常です。調停が不成立となったら審判へ移行して、裁判官が次の祭祀主宰者(祭祀承継者)を指定します。
4.祭祀主催者が行うべきこと
祭祀主宰者は以下のような職務を行わねばなりません。
- 祭祀財産の管理
仏壇や仏具、神棚や家系図などの祭祀財産を引き継ぎ、適切な方法で保管する必要があります。
- 法事などの祭祀の実施
法事などの祭祀は祭祀主宰者が中心となって執り行わねばなりません。但し、法要の開催は法律上の義務ではないので、実際には行わない人もいます。実施しなくても罰則はありません。
- 祭祀財産を維持するための支払い
お墓などの祭祀財産を維持するには、管理料金を支払わねばなりません。傷みが発生したら修繕費もかかるでしょう。こういった祭祀財産を維持するための支払いは、祭祀承継者がしなければなりません。
5.祭祀財産には相続税がかからない
祭祀財産には相続税がかかりません。
税制上、非課税の資産と位置づけられているからです。祭祀承継者になったからといって相続税が上がってしまうことはありません。高額な仏壇や仏具、お墓などを引き継いでも相続税との関係は心配する必要は基本的にないといえるでしょう。
但し、祭祀財産といいながら換金目的で高額な仏壇仏具などを購入した場合、相続税を免れるための行為と考えられるので、相続税の課税対象となります。
6.祭祀主宰者が決まらない場合の対処方法
6-1.祭祀承継者指定調停を申し立てる
祭祀主宰者が決まらない場合には、家庭裁判所で「祭祀承継者指定調停」を申し立てましょう。
調停を申し立てると、裁判所の調停委員が間に入って祭祀承継者を誰にするか話し合うことができます。話し合っても決まらない場合、裁判官が審判によって次の祭祀承継者を指定してくれます。
6-2.祭祀財産を処分する
祭祀承継者になるとお墓の管理などをしなければならないので、親族の誰も祭祀承継者になりたくないケースがあります。その場合、祭祀財産を処分するのも一つの方法です。
例えば、古いお墓から魂を抜いて永代供養に付すと、その後はお墓の管理をしなくて済みますし、管理料金も払わずに済みます。いわゆる「墓じまい」をする方法です。
ただ、他の親族の意見を聞かずに勝手にお墓を処分すると後でトラブルになってしまう可能性があります。お墓を処分する際には、親族全員の意見を聞いて、全員が納得した状態で行いましょう。
京都の益川総合法律事務所では相続案件に力を入れて取り組んでいますので、お困りの際にはお気軽にご相談ください。

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海外居住のご依頼者の相続案件を取り扱い、500万円以上の解決金を取得した事例【相続解決事例⑦】
・キーワード
遺産分割、ご依頼者が海外居住、不動産の評価、示談交渉
・ご相談内容
ご依頼者は遺産分割請求を行う側です。
ご依頼者は海外に居住されており、お亡くなりになったお母様とほとんど会っていなかったので、財産も把握されていませんでした。
そして、海外に居住されているため、相手方とご自身で交渉するのが難しかったので、当事務所にご依頼されました。
・当事務所の対応及び結果
弁護士受任後、速やかに相手方に内容証明郵便を送付し、お母様の遺産の分割を行いたいこと、及び速やかにお母様の財産開示をして欲しい旨を伝えました。
その後、相手方から遺産の開示がされ、交渉が始まりました。
遺産の中に不動産の持分がありましたが、ご依頼者は海外にいらっしゃり、不動産の持分取得は不要であるため、不動産の持分を相手方が取得して、こちらに代償金を支払って欲しい旨の交渉を進めました。
そして、不動産の評価額も争いとなりましたが、おおむね適切な金額で決着がつき、最終的には、500万円以上の解決金を取得する形での示談が成立しました。
なお、ご依頼者は、当該解決金とは別に生命保険金も取得されました。
・コメント
ご依頼者が海外にいらっしゃるので、通常の相続の場合と異なる配慮が必要でしたが、適宜の方法でご依頼者と連絡を取らせて頂き、密にやり取りをさせて頂きました。
ご依頼者としても、元々遺産はあまりないと思っておられたようで、今回の解決金の金額にもご満足頂け、何よりでした。
当事務所では、他にも海外居住のご依頼者の相続案件を取り扱ってきているので、お困りの方はお気軽にご相談頂ければと思います。
※特定できない程度に内容をぼかしています。

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著作権は相続される!手続き方法や期間についても弁護士が解説
亡くなった方が著作権を持っていた場合、著作権も相続の対象になります。
著作権はさまざまな場合に発生するので、意外と多くのケースで相続されるものです。具体的にどのようにして相続すれば良いのか、理解しておきましょう。
また著作権は著作者の死後、永遠に存続するわけではありません。いつまで存続するのか、保護期間についても理解しておく必要があります。
今回は著作権とは何か、どのようにして相続すれば良いのかなどを京都の弁護士がお伝えします。
相続人となった方はぜひ参考にしてみてください。
1.著作権とは
著作権とは、著作物の作者が著作物を独占できる権利です。
著作物とは「思想または感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」をいいます。例えば、文章、イラスト、音楽、彫刻、写真などにはすべて著作権が認められます。
こうした著作物を生み出した人(著作者)にはその著作物を独占的に利用したり自分の名前で発表したりする権利などが認められます。それが「著作権」です。
著作権は、著作物を生み出すと同時に作者に認められます。他の知的財産権と異なり、特許庁への出願や登録などの手続きは要りません。
また財産的な価値とも関係がありません。子どもや素人の描いたイラストや下手な文章であっても著作権が認められます。
2.著作権の種類
著作権は以下の2つに分類できます。
2-1.著作者人格権
著作者の人格に一身専属的に所属する権利です。著作物に氏名を表示したり公表するかどうかを決定したりする権利などが含まれます。
□著作者人格権の中身
- 氏名表示権
- 公表権
- 同一性保持権
2-2.財産権
著作権の中でも財産権は、著作権の財産的な側面です。たとえば以下のような権利が含まれます。
- 複製権
- 上演、上映権
- 公衆送信権
- 口述、展示権
- 頒布権
- 譲渡権
- 翻訳、翻案権
3.相続される著作権は財産権のみ
著作権の中でも「財産権」に属するものは相続の対象になります。
一方、著作者人格権は被相続人に一身専属的な権利なので、相続されません。
たとえば、著作物を複製したり上演や上映を認めたりインターネットなどで送信したりする権利は相続の対象になります。相続人はこういった権利にもとづいて収益を得ることも可能です。
一方、氏名を表示するかどうかを決定したり未公表のものを公表するかどうかを決めたりする権利は相続の対象になりません。
4.著作権を相続する手順
著作権を相続する際には、以下の手順で進めましょう。
4-1.相続人調査、相続財産調査を行う
まずは相続人調査や相続財産調査をしなければなりません。
戸籍謄本類を取得して誰が相続人になるのかを調べ、同時並行で著作権やその他の遺産としてどういったものがあるのかを確定しましょう。
4-2.遺産分割協議を行って著作権の相続人を決める
相続人と遺産内容が明らかになったら、相続人が全員参加して遺産分割協議を行いましょう。遺産分割協議では、誰がどの遺産を取得するのかを決めます。
著作権についても誰が相続するのか話し合って決定しましょう。
複数の相続人が著作権を共有することもできますが、共有すると権利行使の際などに面倒が生じるので、できれば単独保有にするようお勧めします。
4-3.遺産分割協議書を作成する
誰がどの遺産を取得するか決めたら、遺産分割協議書を作成して内容を明らかにしましょう。
4-4.決まらない場合には遺産分割調停を申し立てる
遺産分割協議を行っても著作権やその他の遺産の相続人が決まらない場合、遺産分割調停を申し立てましょう。調停を利用すると、裁判所の調停委員が間に入って話し合いを調整してくれます。
調停でも合意できない場合には、裁判官が審判によって遺産分割の方法を決定してくれます。
4-5.著作権の相続に特別な手続きは不要
著作権の相続人となったとき、登録や名義変更などの特別な手続きは不要です。
ただし、何らかの証拠がないと後に著作権を証明する手段がありません。遺産分割協議書や調停調書、審判書などに記載されるので、著作権を相続した場合にはこれらの書類を大切に保管しましょう。
5.著作権の存続期間
著作権は永遠に存続するわけではありません。「存続期間」があります。
著作権を相続しても一定期間が経過すると消滅してしまうので、いつまで存続するのかについて知識を持っておきましょう。
著作権の存続期間は原則として、「著作物が創作されてから著作者の死後70年まで」となっています。著作権の存続期間は、2018年12月28日の「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」によってそれまでの50年から70年に延長されました。
なお、著作者が変名や無名、団体名義の場合「公表後70年間」が著作権の保護期間となります。
6.著作権以外の知的財産権
著作権以外の知的財産権である特許権や実用新案権、商標権や意匠権も相続の対象になります。これらについては特許庁長官へ名義変更の手続きをする必要があります。
7.最後に
京都の益川総合法律事務所では遺産相続のサポートに力を入れて取り組んでいます。相続手続きに迷われた場合には、お気軽にご相談ください。

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相続人に認知症の人がいる場合の対処法
相続人の中に認知症の人がいたら、その人を交えて遺産分割協議を進められない可能性があります。認知症が進行して意思能力が失われていると「成年後見人」を選任しなければ有効な遺産分割ができないのです。
今回は認知症の相続人がいる場合の対処方法をお伝えしますので、相続人の立場になった方はぜひ参考にしてみてください。
1.認知症が進行すると遺産分割協議を成立させられない
遺産分割協議は、相続人全員が合意しないと成立させられません。
ただし、相続人の中に認知症の人がいると、その人は遺産分割協議に参加できない可能性があります。
遺産分割協議を成立させるには、意思能力が必要だからです。意思能力とは、自分の法律行為の意味を弁識できる能力をいいます。
認知症が進行して判断能力が失われると遺産分割協議を成立させるための意思能力が失われるので、自分では遺産分割協議を進められなくなってしまいます。
1-1.認知症の相続人を無視してはならない
重度の認知症となって意思能力がなくなっている相続人がいたら、その人を交えて遺産分割協議を進められません。
かといって、その人を省いて他の相続人だけで遺産分割協議をしても無効です。
遺産分割協議にはすべての相続人を参加させなければならないにもかかわらず認知症の相続人は参加できないので、進行した認知症の相続人がいる場合、遺産分割協議を行えなくなってしまいます。
1-2.認知症でも遺産分割協議に参加できるケースはある
相続人に認知症の人がいても、すべてのケースで遺産分割協議ができないわけではありません。軽度の認知症で意思能力があるなら遺産分割協議を成立させられます。
ただ、ご自身では意思能力があるかどうか判断するのは困難でしょう。医師や法律家の意見を聞いて判断する必要があります。
2.認知症の相続人がいる場合には成年後見人を選任する
相続人の中に進行した認知症の相続人がいるなら、その人の「成年後見人」を選任しなければなりません。
成年後見人とは、判断能力の低下した人に代わって財産を管理したり身上監護方法を決定したりする人です。
本人の預貯金などの財産を預かって医療費などの必要な支払いを行い、入所先の病院や介護施設を決定したりキーパーソンとなってやり取りをしたりします。
成年後見人がいればその人が遺産分割についての意思決定をできるので、認知症の相続人がいても遺産分割協議を成立させられます。
成年後見人が署名押印すれば遺産分割協議書が有効になるので、相続登記や預貯金払い戻しなども受けられます。
3.成年後見人の申立方法
成年後見人は、以下のような方法で選任しましょう。
3-1.裁判所の管轄
認知症になった本人の住所地を管轄する家庭裁判所で申立を行います。
3-2.必要書類
- 後見開始申立書
- 申立人の戸籍謄本
- 本人の戸籍謄本
- 本人の戸籍附票
- 本人の登記されていないことの証明書
- 診断書
- 成年後見人候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書、成年後見登記事項証明書
※もし、ご自身で申立をされる方は、管轄の家庭裁判所に必要書類等の確認をされれば、対応してもらえるかと思いますので、申立前に一度確認した方がよいかと思います。
3-3.費用
- 申立手数料800円(収入印紙)
- 後見登記手数料2600円(収入印紙)
- 連絡用の郵便切手
3-4.成年後見人になれる人
成年後見人には、未成年者や破産者以外の人であれば就任できます。
親族から選任してもかまいません。
家庭裁判所へ選任を申し立てる際、候補者を立てることも可能です。
ただし、相続人が成年後見人になると本人と利益相反してしまって問題になるので、相続人以外の人を候補者にしましょう。
※利益相反とは、本人と後見人の利益が相反する場合です。本人の取得分が増えると後見人の取得分が減るので、適正な遺産分割が図られなくなってしまいます。この場合、後見監督人や特別代理人などの選任が必要になります。
親族に適切な人がいない場合や親族間に意見の相違がある場合などには、裁判所が弁護士や司法書士などの専門家から成年後見人を選任します。
4.成年後見人を選任する場合の注意点
成年後見人を選任する場合には以下の点に注意しましょう。
4-1.遺産分割協議が終わっても業務は終わらない
遺産分割協議が終わっても成年後見人による財産管理業務は終わりません。本人が死亡するか判断能力を回復するまで、財産管理などを続ける必要があります。
4-2.定期的な報告が必要
成年後見人に選任されると、年に1回程度財産状況や収支の状況を報告しなければなりません。後見人の事務は煩雑なので、親族が選任されると負担になる可能性があります。
4-3.専門家が選任されると報酬が発生する
弁護士や司法書士などの専門家が成年後見人に選任されると、報酬が発生します。管理財産の価額などの事情によって異なりますが、だいたい月2~6万円程度です。
報酬は本人の財産から支払われるので申立人や相続人が負担する必要はありません。
そうはいっても将来の相続財産が目減りしてしまうので、推定相続人にとっては慎重に検討しなければならない事項の1つとなるでしょう。
5.最後に
遺産相続には難しいケースがたくさんあります。 対応に迷ったときには、お気軽に当事務所までご相談ください。

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遺産分割調停に欠席するデメリットと対処法
遺産分割調停を申し立てられても、呼び出された期日に都合がつかないケースがあるものです。
一方的に調停を申し立てられたのに、なぜ出席しなければならないのかわからず、「出席したくない」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、無断で遺産分割調停に欠席するのはおすすめできません。
この記事では、遺産分割調停に欠席するデメリットや出席できない場合の対処方法をお伝えします。
遺産分割調停を申し立てられて、裁判所から呼出状が届いた方はぜひ参考にしてみてください。
1.遺産分割調停に欠席した場合の影響
1-1.欠席が続くと調停は不成立になる
遺産分割調停は、相続人全員が家庭裁判所へ集まって遺産分割方法を話し合うための手続きです。
相続人が全員出席して合意しなければ、調停は成立しません。
1人でも欠席していたら、話を進められないのです。一部の相続人の欠席が続いて全員の合意ができない場合、遺産分割調停は不成立になってしまいます。
1-2.審判へ移行する
遺産分割調停が不成立になったら、手続きは「遺産分割審判」へと移行します。
遺産分割審判では、審判官が相続人の提出した主張書面や証拠にもとづいて遺産分割方法を決定します。
相続人が話し合って遺産分割方法を決める調停とは異なり、欠席者がいても審判は下されます。
欠席を続けていると、最終的に意見を出せないまま遺産分割の方法が審判で決定されてしまう不利益があるといえるでしょう。
2.遺産分割調停に欠席する場合の不利益
遺産分割調停に欠席を続けても、不利な判断が行われるわけではありません。
その意味では、欠席を続けること自体による不利益はないとも考えられます。
しかし、欠席を続けると、手続きが審判に移行してしまいます。せっかく相続人同士で話し合って遺産分割方法を決める機会がもうけられているのに、みすみすチャンスを捨ててしまうのは大きなデメリットです。
どのくらい欠席すると審判へ移行するのか
遺産分割調停に2~3回連続して欠席し、裁判所からの連絡も無視していると審判に移行してしまうケースが多数です。
1回目に出席できないとしても、2回目以降は必ず出席するようにしましょう。
どうしても都合がつかなくなった場合には、裁判所へ連絡を入れるべきです。
3.遺産分割審判に欠席する場合の不利益
遺産分割審判に欠席し続けると、調停より大きな不利益が及ぶ可能性があります。
遺産分割審判で自分の主張を通すには、法律的に整理された主張書面や資料を提出しなければなりません。欠席していると、そういった書面の提出ができないのです。
すると、自分にとって不利な判断が行われる可能性が高くなってしまいます。
また、申立人が出席して積極的に主張書面や資料を提出すると、裁判所は申立人の意見のみを聞いて審判を出すことになってしまいます。そうなると、ますますこちらにとって不利な審判が出る可能性が高まってしまうでしょう。
4.遺産分割調停に出席できない場合の対処法
仕事や用事があってどうしても遺産分割調停の期日に出席できない場合には、以下のように対応しましょう。
4-1.裁判所へ連絡を入れて日程調整する
裁判所から呼び出された日時に家庭裁判所へ行けない場合、必ず事前に裁判所へ連絡を入れるべきです。無断欠席は避けましょう。
連絡を入れると、「いつなら出席できるのか」と聞かれるので、都合の良い日時を伝えてあらためて日程調整をしてください。
あらたに定められた期日に出席できれば、その後は通常通りに調停を進めていけます。
4-2.電話会議システム・テレビ会議システムを利用する
裁判所が遠方などで出席が難しい場合、電話会議システムやテレビ会議システムの利用を申請しましょう。
これらは、電話やテレビ会議を使って遠隔地から調停を進める方法です。
ただし、申請しても必ず利用できるとは限りません。裁判所が必要性を認めなければ適用されないのです。
まずは出席が難しい理由を付して、裁判所へ電話会議、テレビ会議の申請をしてみてください。
4-3.書面を提出する
調停に出席できないけれども調停委員会に伝えたい内容がある場合には、期日前に書面を提出しましょう。
その上で、次回からは出席すれば通常通りに調停を続けていけます。
4-4.相続分の放棄や譲渡をする
「遺産を相続しなくて良い」と考えている場合、相続分の放棄や譲渡をすれば調停に出席する必要がなくなります。
相続分の放棄とは、資産を相続しないと宣言することです。一切の資産を承継しないので、遺産分割協議や調停に参加する必要はありません。
相続分の譲渡とは、他の相続人へ相続分を譲ることです。すべての相続分を譲ってしまえば遺産相続しないので、やはり遺産分割調停に参加する必要がなくなります。
4-5.弁護士を代理人に立てる
遺産相続したいけれども調停には出席したくない場合、弁護士を代理人に立てましょう。
弁護士が代理人になれば、弁護士のみが調停に出席してでも話を進められます。
また弁護士は法律に精通しており交渉ごとのプロなので、有利に進められる可能性も高くなるでしょう。
調停に毎回出席するのが手間になるなら、遺産相続に詳しい弁護士に相談してみてください。
5.最後に
京都の益川総合法律事務所では、遺産相続の案件に力を入れて取り組んでいます。
遺産分割調停を申し立てられてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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養子の相続権について
養子縁組をした場合、養子にも実子と同じだけの相続権が認められます。
養子にも相続税の基礎控除が認められるので、相続対策を兼ねて孫を養子に迎える方も少なくありません。
ただ、養子で基礎控除を増やせる人数は限られています。
むやみに養子をとると、遺産分割の際にもめてしまう原因にもなりうるので、正しい知識をもって適切な範囲で対応することが重要です。
今回は養子の相続権について、京都の弁護士が解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.養子にも実子と同様の相続権がある
養子にも相続権が認められます。
養子になった以上、法律上の親族関係ができあがるからです。
被相続人(亡くなった人)に養子がいる場合には、養子を交えて遺産分割協議を行う必要があります。
遺産分割協議を成立させるには養子も含めた全員が合意する必要があるのです。
■養子の相続割合
養子の相続割合は実子と同じで、遺留分の割合についても同様です。
養子であっても実子であっても、法律上はほとんど同様の扱いになると考えましょう。
2.普通養子縁組と特別養子縁組との違い
養子には、普通養子縁組と特別養子縁組があります。
これらの養子の両方とも、養親の遺産については同じように相続権が認められます。
ただし、実親の相続権については違いが生じます。
普通養子縁組の場合、養親だけではなく実親とも親族関係が残るので、実親が死亡した場合にも相続が可能です。
一方特別養子縁組の場合、実親との関係は切れるので実親の遺産を相続できません。
普通養子縁組と特別養子縁組の相続における違いは、「実親の遺産を相続できるか」だといえるでしょう。
相続できるのが普通養子縁組で、できないのが特別養子縁組です。
3.養子の子どもによる代襲相続が発生する場合と発生しない場合
養子も法律上は子どもなので、養親が死亡したときに養子が先に死亡していたら代襲相続が発生する可能性があります。
ただし、養子の子どもが代襲相続できるかどうかは、子どもが生まれた時期によって異なります。
養子の子どもが相続できるのは、養子縁組が行われた後に生まれた場合です。この場合、親子関係ができてからの子どもなので相続権が認められます。
一方、養子縁組の前に生まれていた子どもには相続権が認められません。
子どもが生まれた時期によって代襲相続が発生するかどうか違いが生じるので、間違えないように注意しましょう。
4.養子縁組と相続税控除について
養子縁組した場合でも、子どもが増えた分「相続税の基礎控除」を増やせる可能性があります。
相続税の基礎控除とは、相続税計算の際に遺産額から差し引ける金額です。
基礎控除が大きくなると課税対象遺産額が減るので、節税につながります。
- 相続税の基礎控除額…3000万円+600万円×法定相続人数
養子がいると、法定相続人数が増えるので相続税の基礎控除額が上がって節税対策になります。
ただし、養子縁組による基礎控除の増加は無制限に認められるものではありません。
実子がいない場合には養子2人分まで、実子がいる場合には養子1人分までの基礎控除枠増加しか認められません。
生命保険控除や死亡退職金の控除について
養子縁組によって法定相続人を増やすと、生命保険から支払われる死亡保険金や会社から支給される死亡退職金に認められる控除枠も増やせます。
これらの受取金には相続税がかかりますが、以下の控除が認められているからです。
- 法定相続人数×500万円
基礎控除だけではなく、生命保険などの控除枠も増やせるので、養子縁組は相続税対策としても有効な手段といえるでしょう。
5.養子縁組する場合の注意点
相続対策で養子縁組する場合、以下の点に注意しましょう。
5-1.養子で基礎控除を増やせる枠は限定されている
一定以上遺産のある方の場合、相続税を節税するために養子縁組を行う人が多数います。
ただし、養子縁組によって増やせる基礎控除の枠は限定されているので、縁組をする前に正しく理解しておきましょう。
5-2.孫を養子にすると相続税額が20%増しになる
孫が養子になると、孫が支払うべき相続税額が20%増しになってしまうので注意が必要です。
相続税対策で孫を養子にしたところ、かえって相続税額が上がってしまう可能性もあるのです。
うまく相続税対策を行うには、自己判断せずに税理士に相談してシミュレーションを行うのが良いでしょう。
5-3.相続トラブルの原因になる可能性がある
養子をとると、養子も交えて遺産分割協議をする必要があります。
実子や配偶者などとの間で感情的な軋轢が起こり、遺産分割協議でもめてしまうケースもよく見られます。
例えば、相続税対策で孫を養子にすると、孫の親以外の子どもが反感を抱く可能性があるでしょう(長男の子どもを養子にすると次男が反感を抱くケースなど)。
養子縁組をする場合、親族の理解を得ておくことも大切です。
6.最後に
京都の益川総合法律事務所では、相続問題に力を入れて取り組んでいます。
また、相続税に力を入れている税理士と提携していますので、相続税の部分でもワンストップで対応が可能です。
お悩み事がありましたらお気軽にご相談ください。

当事務所は、1983年創業の老舗法律事務所です。
遺産分割、遺留分侵害額請求、遺言書作成など、遺産相続案件に強い法律事務所であると自負しております。
お悩みの方は、是非お気軽にお問い合わせ下さい。
遺留分と生前贈与について
遺留分を算定するときには「生前贈与」が大きく関わります。
「遺留分侵害者」(遺留分を侵害する人)が生前贈与を受けた場合には、生前贈与が遺留分侵害額請求の対象となる可能性があります。
「遺留分権利者」(遺留分を請求する人)が生前贈与を受けた場合には、遺留分侵害額から生前贈与分を控除しなければなりません。
今回は遺留分と生前贈与の関係について解説します。「遺留分侵害者が生前贈与された場合」と「遺留分権利者が生前贈与された場合」とに分けてみていきましょう。
1.遺留分侵害者が生前贈与された場合
まずは、遺留分侵害者が生前贈与されたケースを検討します。
遺留分侵害者とは、相続人の遺留分を侵害する人です。具体的には、被相続人から多額の遺贈や贈与を受けた人が該当します。
遺留分侵害者が生前贈与を受けた場合には、生前贈与分が遺留分侵害額請求の対象になる可能性があります。
生前贈与の対象には、以下のものが含まれるからです(民法1044条)
- 遺贈
- 相続開始前1年間における生前贈与
- 遺留分を侵害すると知って行われた生前贈与
- 相続人に対する相続開始前10年間における生前贈与
相続人に対する生前贈与については「相続開始前10年間」のものが遺留分侵害額請求の対象になります。死亡の10年より前に生前贈与が行われたとしても、遺留分侵害額請求の対象になりません。
なお、法改正前は相続人への生前贈与に期間制限がありませんでしたが、法改正により、遺留分侵害額請求の対象が「相続開始前10年間」に限定されました。
近年改正されたばかりで間違えて理解している方もいるので、正しい知識をもって計算を行いましょう。
遺留分と生前贈与、計算の具体例
例えば、父親が2022年9月に死亡したケースで、2013年10月に長男へ不動産が贈与されていたとしましょう。これについては遺留分侵害額請求の対象になります。
一方、2011年8月に次男へ預金が贈与されていた場合、その預金は原則として遺留分侵害額請求の対象になりません。
2.遺留分権利者が生前贈与された場合
次に、遺留分権利者が生前贈与された場合についてみてみましょう。
遺留分権利者とは、遺留分を請求する人です。
遺留分権利者も被相続人の生前に財産の贈与を受けるケースがあります。そのような場合、贈与された財産額を遺留分侵害額から控除する必要があります。
贈与を受けているなら、その分は引き算しないと遺留分侵害額と贈与財産の2重取りになってしまうからです。
遺留分権利者が受ける贈与に関する控除には、10年間などの期間制限がありません。過去に贈与を受けていたら、基本的にすべて遺留分からの控除の対象になります。
遺留分と生前贈与、計算の具体例
例えば、父親が2022年9月に死亡したケースで長男が高額な遺贈を受け取る内容の遺言書が残されていたとしましょう。長女は遺留分侵害額請求を検討していますが、過去に1000万円の預金の生前贈与を受けていました。
この場合、長女は長男へ遺留分侵害額請求できますが、遺留分侵害額からは過去に受け取った1000万円を控除しなければなりません。なお1000万円が贈与された時期は問いません。
3.遺留分侵害額の算定手順
遺留分侵害額を計算する際には、以下の手順で進めます。
STEP1 相続財産に遺留分侵害者への贈与分(相続開始前10年間の分など)を加算する
まずは相続財産を洗い出し、どのくらいの評価額になるのかを明らかにしましょう。
そこへ遺留分侵害者の受けた生前贈与分を加算します。
遺留分侵害者が相続人である場合、加算できるのは基本的に「相続開始前10年間」に行われた生前贈与分のみです。
ただし遺留分を侵害すると知って行われた場合には、10年より前の贈与分を足せるケースもあります。
STEP2 負債を控除する
遺留分からは相続債務を控除します。相続財産に借金などの債務が含まれていたら、引き算しましょう。
STEP3 遺留分割合をあてはめる
遺留分権利者の遺留分割合を当てはめて、具体的な遺留分侵害額の金額を算定します。
STEP4 遺留分権利者の受けた贈与分を控除する
遺留分権利者が生前贈与を受けていた場合、その評価額は遺留分侵害額から控除します。この場合に控除対象となる贈与には年数制限がなく、10年より前の分も控除対象となります。
STEP5 遺留分権利者が負担する負債額を加算する
遺留分権利者が負債を負担する場合には、遺留分侵害額に加算できます。
4.遺留分侵害額請求は弁護士へお任せください
遺留分侵害額請求を行うときには、弁護士へ依頼するのが得策です。遺留分侵害額の計算は非常に複雑で、素人判断では間違ってしまうケースも多いからです。
また、遺留分侵害額請求をすると相手とトラブルになり、もめて解決できなくなる事例も多々あります。できるだけスムーズに遺留分侵害額を払ってもらうには、弁護士による助けが必要といえるでしょう。
京都の益川総合法律事務所では遺産相続や遺留分の問題に積極的に取り組んでいます。
不公平な遺言や生前贈与に納得できない方、遺留分侵害額請求をしたい方がおられましたら、時効が成立する前に、お早めにご相談ください。

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私の名前の由来
こんにちは。
弁護士の益川教親です。
時々、ご相談者の方から、「お名前はなんと読むのですか?」といったご質問を頂くことがあります。
そこで、今回は、私の名前の読み方やその由来についてお話しさせて頂きます。
あまり需要がなさそうですが、最後までお付き合いいただければ嬉しいです(笑)
①名前の読み方
いきなり結論です。
「教親」で、「のりちか」と読みます。
東京ヤクルト所属のプロ野球選手で、青木宣親(のりちか)という元メジャーリーガ-の方がいらっしゃいますが、漢字まで同じ方を私は見たことがありません。
ネットで調べてみたら、歴史上の人物として、「一色教親」という室町時代の武将や、「木造教親」という室町時代の武将兼公家の方がいました。
お二方とも私は知りませんでした。
ですが、名前だけ見たら「益川教親」も負けてないんじゃないかなと思っています(笑)
よく、歴史上の人物っぽい名前だねと言っていただくことが多いのですが、まさか本当に歴史上の人物で同じ名前の方がいるとは思っていませんでした。
②名前の由来
先祖代々、「教」という字は使うようで、こちらの一字は使うのが決まっていたようです。
そして、「教親」という名前にしたのは、「親」に色んなことを「教」えられるような子になってほしいとの願いがあったからだそうです。
実際、私が、親に色んなことを教えられるような人間になっているかは分かりません。
ですが、常々父から、大学と大学院時代の仕送りが大変だったという話を聞かされているので、少なくとも仕送りの大変さは教えられたんじゃないかなと思っています(笑)
今後は、もっと良いことを教えられるように尽力します。
③他の名前の案
ちなみに、教親の他にも、「教石」という候補もあったようです。
こちらは、夏目漱石からとっているみたいです。
教石も良い名前だとは思いますが、少し固い気がするので、個人的には今の名前で良かったです。
おそらく先祖の誰かは、「教石」さんがいる気がします。
こっちの名前だったら、もっと文才にめぐまれたかもしれませんね(笑)
④最後に
今回は、私の名前の読み方や名前の由来をお話ししました。
あなたの名前の由来はなんですか。
もし、お会いすることがあれば、教えて頂けると嬉しいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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