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家族信託とは
家族信託を利用すると、将来認知症が進行したときの財産凍結を防いだり、相続が発生したときに希望通りに財産を受け継がせられたりする効果があり、大きなメリットを得られます。
最近では家族信託の認知度も高まり、利用者も増加しているので聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
ただ「具体的にどういったものかわからない」「家族信託で何ができるのかわからない」「自分たちのケースで家族信託が適しているのか判断できない」といったご相談を受けるケースも少なくありません。
今回は京都の弁護士が家族信託について、わかりやすく説明します。活用事例もご紹介しますので、関心をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
1.家族信託とは
家族信託は、信頼できる家族に財産を預けて管理処分してもらう信託契約です。
たとえば親が子どもに自宅不動産や預貯金を預けて管理してもらい、将来認知症になったときに備えるケースなどがよくあります。
親族間の契約なので、高額な報酬も発生しません。信頼できる家族さえいたら利用できる手続きです。
□家族信託の基本的な仕組み
家族信託を設定する際には「委託者」と「受託者」「受益者」「信託財産」を決めなければなりません。
・委託者
財産を預ける人です。たとえば親が子どもへ不動産を預ける場合には親が委託者となります。
・受託者
財産を預かって管理する人です。たとえば親が子どもへ預貯金を預ける場合、子どもが受託者となります。
・受益者
受益者は、家族信託によって利益を得る人です。
受益者は委託者と一致する場合もあれば異なる場合もあります。
たとえば親が子どもへ不動産を預ける場合、親の存命中は親自身を受益者とするケースが多数です。親の死亡後は配偶者や別の子ども、孫などへ受益者を変更できます。
・信託財産
信託財産は、家族信託によって預ける財産です。たとえば親が子どもへ不動産と預金を信託する場合、信託財産は不動産と預金になります。
2.家族信託のメリット
2-1.柔軟に対応できる
認知症になったときの財産管理方法としては成年後見制度が有名ですが、成年後見制度に比べて家族信託は柔軟な対応が可能です。
成年後見制度の場合、家庭裁判所の監督を受けるのでどうしても硬直的になってしまいます。ご本人が後見人を自由に選ぶこともできません。
家族信託であれば、ご本人の希望する方法で希望する相手に財産管理や処分をしてもらえます。ご家族の状況に応じたスキームを組み立てられるのが大きなメリットとなるでしょう。
2-2.高額な費用がかからない
信託銀行で遺言信託などを利用すると、最低でも100万円程度の費用がかかってしまいます。
家族信託であれば、家族へ財産を預けるだけなので費用はさほど高額にならないケースが多数です。ただし専門家へ依頼する報酬や公正証書作成費用など、一定額はかかります。
2-3.家族信託にしかできないことも多い
遺言や成年後見制度では対応できず、家族信託にしかできないことがたくさんあります。
たとえば2代以上先への財産受け継ぎ方法を指定したり、事業承継において先代社長に権限を残したまま株式を信託したりするのは、家族信託ならではの機能です。
3.家族信託の活用事例
3-1.認知症対策
将来の認知症に備えて家族信託を利用されるケースが多数あります。
たとえば親が子どもに自宅の不動産を信託し、親が家に住んでいる期間の管理を委託します。その後、認知症が進行して施設入所が必要になったタイミングで子どもに家を売却してもらい、施設の頭金を用意することも可能です。
3-2.二代以上先の財産引き継ぎ方法を指定
家族信託を利用すると、2代以上先への財産引き継ぎ方法を指定できます。
たとえば長男に子どものいないご家庭で、まずは長男に財産を継がせたいけれど、その後は次男の子ども(孫)へ引き継がせたいご希望を持っている場合を考えてみてください。
家族信託であれば、まずは長男、その次は次男の孫への財産引き継ぎを指定できます。
遺言の場合には長男への相続しか指定できないので、その後の孫への財産引き継ぎを指定できません。
2代以上先の財産引き継ぎを指定したいなら、家族信託が有効です。
3-3.障害のある子どもの生活保障
障害のあるお子様がいらっしゃって、親なき後の生活が心配な場合にも、家族信託が有効です。
障害のないお子様(ご本人のご兄妹)や甥姪などの親族に預貯金や不動産を信託し、障害のあるお子様のために管理してもらえば、ご本人の生活が守られます。
3-4.事業承継
事業承継の際に家族信託を用いると、先代に「指図権」という権利を残したまま株式を後継者候補へ信託できます。指図権を残すと、信託後も株式の議決権を先代が行使できます。
また後継者候補が不適格な場合、信託契約を解約して別の候補者を探せるので、お試しで承継できるのも大きなメリットとなるでしょう。
4.家族信託をおすすめするパターン
- 将来の認知症が心配
- 2代や3代先の財産承継方法を指定したい
- 障害のある子どもの生活を守りたい
- 事業承継したい
- 遺産相続対策をしたい
- 相続トラブルを防止したい
5.最後に
京都の益川総合法律事務所は家族信託や相続対策、認知症対策に力を入れて取り組んでいます。
家族信託に関心をお持ちの方はお気軽にご相談ください。

当事務所は、1983年創業の老舗法律事務所です。
遺産分割、遺留分侵害額請求、遺言書作成など、遺産相続案件に強い法律事務所であると自負しております。
お悩みの方は、是非お気軽にお問い合わせ下さい。
配偶者居住権についての相続法改正
近年、相続法が改正されて「配偶者居住権」が新設されました。
配偶者居住権とは、夫や妻に先立たれて遺された配偶者が家に住み続ける権利です。
相続時に配偶者が配偶者居住権を取得すると、家の所有権を取得するよりも有利に遺産分割をできる可能性があります。
ただし、配偶者居住権にはデメリットもあるので、正しく理解した上で対応を決めていただいた方がよいです。
そこで、今回は配偶者居住権に関する相続法改正について京都の弁護士が解説します。
1.配偶者居住権とは
配偶者居住権は、相続開始時に被相続人(亡くなった方)の所有する自宅に居住していた配偶者に認められる権利です。
配偶者が配偶者居住権を取得すると、所有権がなくても家に住み続けることができます。
また、所有権は配偶者以外の別の相続人が取得するので、家の権利が「所有権」の部分と「配偶者居住権」の部分に分かれます。
1-1.配偶者居住権が発生するケース
配偶者居住権が発生するのは、以下の場合です。
- 遺産分割で配偶者が配偶者居住権を取得する場合
- 被相続人が遺贈によって配偶者居住権を取得させた場合
- 死因贈与契約によって配偶者が配偶者居住権を取得した場合
ただし、自宅を被相続人や配偶者以外の第三者と共有している場合、配偶者居住権は設定できません。
1-2.配偶者居住権の期間
配偶者居住権の期間は自由に定められます。たとえば10年としてもかまいませんし、終身(配偶者が亡くなるまで)としてもかまいません。期間が短い方が、配偶者居住権の評価額は低くなります。
1-3.配偶者居住権と登記
配偶者居住権は登記できる権利です。
登記しないと配偶者は第三者へ配偶者居住権を対抗できないので、遺産分割などで配偶者居住権を取得したら早めに法務局で登記の申請をしましょう。
2.配偶者居住権には相続税がかかる
配偶者が配偶者居住権を取得した場合、評価額に応じて相続税が課税されます。
配偶者居住権の相続税評価額は、物件価額や配偶者居住権の存続期間、建物の耐用年数等の条件によって変わります。
基本的な計算式は、以下のとおりです。
国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4666.htm
ただし、配偶者が遺産相続する場合には、相続税の配偶者控除が認められ、法定相続分または1億6千万円までの分が控除されるので、実際に配偶者が相続税を納める事例はあまり多くないでしょう。
3.配偶者居住権を取得するメリット
3-1.家に住み続ける権利が保障される
配偶者が配偶者居住権を取得すると、権利が存続する間は家に住む権利が保障されます。
被相続人亡き後の配偶者の生活が守られるメリットがあるといえるでしょう。
3-2.他の遺産を相続しやすくなる
配偶者居住権の評価額は、所有権よりも低くなりますし、配偶者居住権を設定すると子どもなどの他の相続人が所有権を相続します。
遺産分割時、配偶者が配偶者居住権を取得して子どもなどの他の相続人が所有権を取得すると配偶者の遺産取得枠が大きくなり、預貯金などの他の遺産を相続しやすくなるメリットがあります。家に住めるだけではなく、多めの遺産を取得できるので生活を維持しやすくなるでしょう。
3-3.代償金を払わなくても家に住める
配偶者が家の所有権を取得するには、他の相続人へ代償金を払わねばならないケースもあり、払えない場合には家を出ていかざるを得えないケースもありました。
配偶者居住権を取得すれば他の相続人へ所有権を取得させられるので、代償金を払わなくても家に住み続けやすくなります。
4.配偶者居住権の注意点
配偶者居住権を設定する際には以下のような点に注意しましょう。
4-1.配偶者居住権は売却できない
配偶者居住権は配偶者のみに認められる権利なので、売却できません。
たとえば介護施設へ入所するのにまとまったお金を用意したいとき、配偶者居住権を取得した配偶者は家を売ってお金を得ることができません。
配偶者居住権を放棄する代わりに建物の所有者に対価を求めるか、所有者の承諾を得て第三者に賃貸するくらいしか、お金を得る方法がないので注意が必要です。
4-2.修繕などの費用負担の問題がある
不動産を維持していくには、修繕費などの費用が発生するものです。
配偶者が配偶者居住権を取得すると、配偶者と所有者が話し合って費用負担方法を決めなければなりません。
配偶者と所有者の関係が円満でない場合やコミュニケーションをとりにくい場合、費用負担の話し合いがスムーズに進まず精神的負担も大きくなるでしょう。
4-3.所有者による売却が困難になる
配偶者居住権が設定されている家も、所有者は売却できます。ただし配偶者居住権がついている以上、購入者は実際に居住できません。
買い手がつきにくいため配偶者居住権つきの家を売るのは、現実的に難しくなるケースが多数です。
5.配偶者居住権の施行時期
配偶者居住権に関する規定が施行されたのは2020年4月1日であり、現在すでに有効です。配偶者が遺産分割時に希望して全員が合意すれば、配偶者居住権を取得できます。
6.配偶者居住権については弁護士へご相談を
配偶者居住権にはメリットもデメリットもあるので、設定の際には所有者との関係性なども踏まえて慎重に検討すべきです。そのため、弁護士から法律的なアドバイスを受けてから判断されるのが良いです。
京都の益川総合法律事務所では、遺産相続案件に力を入れていますので、関心や疑問がありましたらお気軽にご相談ください。

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マンションによる「過度な相続税対策」が否定された最高裁判例(令和4年4月19日)
2022年4月19日、最高裁において相続税の節税対策に関する極めて重要な判決がくだされました。
この事例では、原告(上告人)らがマンション投資によって相続税を大きく節税したのですが、裁判所はそのスキームを否定したのです。
原告らは当初相続税を0円として収めませんでしたが、最高裁判所は国税局による約3億円の追徴課税を有効なものと認めました。
今回はマンション投資を使った節税スキームと最高裁判所の判決内容について、京都の弁護士が解説します。
相続税の節税対策に関心をお持ちの方にとっては非常に重要な判決なので、ぜひ参考にしてみてください。
1.事案の概要
本件の原告(上告人)は、父親の遺産を相続した相続人らです。
生前、父親は約13億9000万円でマンションを2棟、購入しました。
購入に際しては投資用のローンを組み、約10億円の借り入れを利用しました。
(1)マンション購入による相続税の減額
一般的にマンションを購入すると、現金をもっているより大きく相続税額を下げられます。
マンションの相続税評価額は現金より低くなるためです。
不動産の原則的な相続税評価方法は以下のとおりとされています。
- 土地…相続税路線価で評価
相続税路線価は、時価の8割程度です。
- 建物…固定資産税評価額で評価
固定資産税評価額は、建築価格の5割から7割程度です。
マンションの場合、建物部分は固定資産税評価額、敷地部分は相続税路線価で評価し、合計額を評価額とします。
単純計算をしてもマンションを購入すると、現金を所持し続ける場合に比べて評価額を8割以下におさえられるのです。
(2)ローン借入による相続税額の減少
本件で被相続人である父親は、マンションを購入する際にローンを組んでいます。
ローンなどの借財は遺産額から差し引けるので、ローンを組むとさらに相続税額を抑えることが可能です。
本件では父親がマンションを購入して高額なローンを組んだため、相続人たちが支払うべき相続税額が「0円」となり、原告らは相続税の納付をしませんでした。
(3)税務署による追徴課税
上記の原告らによる節税手法に対し、税務署は「過剰な節税」と判断して相続税評価額に関する例外規定を適用しました。
「申告内容が著しく不適当な場合、税務署が独自に評価額を再評価できる」という規定を用いて、マンションを「相続税路線価」や「固定資産税評価額」ではなく「時価」で計算したのです。
その結果、追徴税額は約3億円となりました。
(4)相続人らによる訴訟提起
相続人らは、国税庁の通達によって正しく相続税額を申告したにも関わらず高額な追徴課税を受けたことを不服として、訴訟を提起しました。
国税庁による追徴課税の取り消しを求めたのが本件の裁判です。
2.一審と二審の判決
一審と二審は、国税当局による課税を適切なものと判断し、原告らの請求を棄却しました。
理由は以下のとおりです。
- 相続税の課税は、平等に行われなければならない
- ただし本件各不動産の価額については、原則的な評価通達の定める方法(相続税路線価や固定資産税評価額)により評価すると実質的な租税負担の公平を著しく害し不当な結果を招くため、他の合理的な方法によって評価することが許される
- 本件各鑑定評価額は客観的な交換価値としての時価と認められるから、これを基礎とする本件各更正処分は適法で、賦課決定処分(追徴課税)も適法である
以上のように判断し、国税当局による課税を妥当なものと判断しました。
3.最高裁の判決
原告らは一審と二審の判決を不服として上告しました。
結果として、最高裁も一審と二審同様、国税当局の判断を妥当なものとし、原告らによる請求を棄却しました。
判断の理由の概要は以下のとおりです。
- 相続税の課税は画一的かつ平等に行われなければならない。
- 特定の納税者あるいは特定の相続財産の価額についてのみ、評価通達の定める評価方法以外の評価方法によって、その価格を評価することは、原則として許されない。
- 形式的な平等を貫くことによって、かえって租税負担の実質的公平を著しく害するといえる特別の事情がある場合には、例外的に他の合理的な方法によって評価することが許される。
つまり基本的に課税は平等に行われなければなりませんが、特別の事情があれば例外規定を適用しても違法にならないとする判断です。そのうえで本件においては実質的な租税負担の公平にかんがみて、例外規定に基づく追徴課税を適法と判断しました。
結果として国税当局による課税が有効なものとして確定し、原告らは追徴額を払わねばなりませんでした。
4.相続税対策は慎重に
本件で、原告の父親は通達の定める原則に従って節税したのであり、決して違法行為に及んだわけではありません。それでも「実質的な公平」の観点により、節税スキームを否定されました。
相続税の節税対策を行う際には慎重な姿勢を要求されます。安全を期するため、相続税に詳しい税理士などの専門家に相談するのがよいでしょう。
当事務所でも相続税に力を入れている税理士と提携していますので、京都、滋賀、大阪、兵庫で遺産相続対策に関心のある方はお気軽にご相談ください。

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弁護士の力量で結果が変わるのか
こんにちは。
弁護士の益川教親です。
今回は、弁護士の力量(能力)で結果が変わるのかについて、話をさせて頂きます。
時々、ご相談者や友人から、誰に弁護士を依頼するのかで結果が変わるのかという趣旨のご質問を頂くことがあります。
これに対しては、「誰に弁護士を依頼するかで、結果は大きく変わります」とお答えしています。
そうじゃなきゃ、私も日々研鑽を積みません(笑)
以下では、相続案件のような紛争案件で、一体なぜ弁護士によって結果が変わるのかについてご説明します。
まず、相手方と争いになっている事件では、お互い自身に不利なことは自分から言わないので、当方にとって有利なことは自身で言わなければ、交渉の際に考慮されないですし、裁判所も考慮してくれません。
そして、実は、自分にとって「有利なこと」を見極めるのはそんなに簡単ではありません。
私も依頼者の方が有利だと思って話してくださったことを、それは当方にとって不利に働くので主張しない方が良いですとお伝えすることが少なくありません。
その主張が、争いになっているある場面では有利に働くものの、違う場面では決定的に不利に働くこともあります。
なので、そもそも何が自分に有利かを正確に判定する必要があります。
私も交渉や裁判をしていて、相手方に対して、一体なぜ相手方は自己に不利な事実を(有利だと思って)主張するのだろうと思うことがあります。
もちろん、相手方のご依頼者が当該事実を主張したい等の事情があることもあるでしょうが、明らかにそうではないように見受けられることもあります。
また、相手方に対して、明らかに相手方に有利になる主張があるのに、一体なぜその主張をしないのであろうと思うこともあります。
このように、自己に有利な事実を見極めて、有利な主張のみするというのは、意外と簡単ではありません。
そして、交渉や裁判では、自己に有利な主張をしても、基本的には、証拠がなければ、その事実の存在を認めてもらえません。
なので、ご依頼者に当該事実を基礎付ける証拠をもらう必要があるのですが、どのような証拠が必要になるかを判定して具体的に依頼できるかも弁護士の力量によって変わるかと思います。
さらに、相手方との交渉が決裂した場合には、調停や訴訟といった形で裁判所を介在して紛争の解決を目指すことになります。
この場合、裁判所から、今回の事案はこういう解決でどうですかとの形で、調停案や和解案というのが提示されることが多いです。
この調停案や和解案が自身に有利であれば良いのですが、当然不利な案を出されることもあります。
この不利な和解案を出された場合が弁護士の力量によって変わる部分だと思います。
へらへら笑って裁判所にこびへつらうのか、裁判所に怒りをあらわにして法的主張をぶつけて納得できるような案を提示するよう要求できるのかで、結果は大きく変わります。
もちろん、後者を選択すると、弁護士にとっては疲労感が溜まりますし、精神力も使うのですが、後者を選択することによって、結果が変わることが多々あります。
当然、裁判官の性格も考えながら、不利な案を出された時の対応を考える必要があるのですが、裁判官も人間なので、弁護士や当事者が怒りをあらわにしていたら、考え直してくれることもあるのです。
もちろん、怒りをあらわにするだけで、法的主張をして裁判官を説得しないのは駄目です(笑)
このように、誰に弁護士を依頼するかで、結果は大きく変わると思いますし、私はそう信じています。
私自身も、相手方から、なんでこの主張(当方にとって有利な主張)をしないんだと思われないように、今後も研鑽を積んでいきたいと思います。

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自筆証書遺言についての相続法改正
近年の相続法改正により、自筆証書遺言の作成方法や保管方法が変わりました。
①これまで自筆以外が許されなかった遺産目録をパソコン等で作成できるようになった
②自筆証書遺言を法務局で預かってもらえる制度が新設された
大きな改正点は上記の2つです。
今回は自筆証書遺言がどのように変わったのかについて、京都の弁護士がお伝えします。これから遺言書を作成される方はぜひ参考にしてみてください。
1.自筆証書遺言とは
自筆証書遺言とは、遺言者が全文を自筆する遺言書です。
遺言書には自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類があり、中でも頻繁に利用されるのが自筆証書遺言と公正証書遺言です。
自筆証書遺言は基本的に無料で作成できますし、思い立ったときに遺言者が手軽に作成できるメリットがあります。
確実性としては公正証書遺言に劣りますが、適正な方法で作成・保管さえすれば遺言書としての効力は公正証書遺言と変わりません。
2.自筆証書遺言の変更点その1 遺産目録について
法改正により、自筆証書遺言における「遺産目録」の作成方法が変わりました。
遺産目録とは、どういった遺産があるのかを明らかにする表です。
従来、自筆証書遺言では遺産目録の部分も含めて遺言者が自筆しなければなりませんでした。ただ現代ではパソコンを使う方も多いですし、遺産目録を自筆すると不動産や預金の番号などを間違ってしまうリスクもかえって高くなります。
そこで改正法では遺産目録のみ、自筆の必要がなくなりました。
パソコンで目録を作ってもかまいませんし、不動産なら全部事項証明書、預金なら預貯金通帳のコピーをつける方法で代替できます。
ただし自筆しない場合には、遺産目録の全ページに遺言者が署名押印しなければなりません。両面に印字がある場合には両面への署名押印が必要です。
忘れると遺言書が無効になってしまうリスクがあるので注意しましょう。
3.自筆証書遺言の変更点2 法務局で保管してもらえる制度が新設
改正法により自筆証書遺言を法務局で預かってもらえる制度が新設されました。
従来は自筆証書遺言を作成すると、遺言者が自分で保管しなければなりませんでした。
しかし自分で保管すると、どうしても紛失してしまうリスクが高まります。
また遺言書を発見した相続人が隠したり破棄したり、書き換えてしまったりするケースもあります。
そこで自筆証書遺言を法務局に預けて管理してもらうことにより、安全に保管できる制度が作られました。
これが自筆証書遺言書保管制度です。
3-1.自筆証書遺言書保管制度の使い方
まずは遺言者が自分で遺言内容を考えて、有効な自筆証書遺言を作成します。遺言書保管所では遺言書の作成方法や内容については相談に乗ってくれません。
遺言書ができたら遺言者本人が保管所へ遺言書を持ち込みます。封入せずそのまま持参しましょう。
管轄の法務局は以下の3種類です。
- 遺言者の住所地を管轄する遺言書保管所
- 遺言者の本籍地を管轄する遺言書保管所
- 遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所
事前に予約をとり、定められた日時に遺言書保管所へ出向きましょう。
遺言書を預けられるのは本人のみです。代理人による保管申請は認められません。
3-2.費用
預ける際の費用は、遺言書1通につき3,900円です。
3-3.遺言書を預けた後の対応
遺言書を預けた後、遺言者は遺言内容を確認、撤回、変更できます。
確認する場合、モニター越しに閲覧する方法と原本を閲覧する方法の2種類があります。
□ 手数料
モニター閲覧…1回1,400円
原本閲覧…1回1,700円
遺言書の保管の申請の撤回、遺言者の住所等の変更の届出をする際には手数料はかかりません。
3-4.自筆証書遺言保管制度のメリット
- 遺言書の紛失を防止できる
- 破棄隠匿、書き換えなどの不正を防止できる
- 相続人へ通知する制度を利用できるので、遺言書が発見されやすくなる
- 死後の検認が不要で相続人に手間がかからない
3-5.自筆証書遺言保管制度の注意点
① 遺言者本人が申請しなければならない
遺言者本人が法務局へ出向いて遺言書を預けなければならないので、寝たきりなど体が動かない方は利用できません。公正証書遺言なら、自宅や施設、入院先などへ公証人に出張してきてもらって遺言書を残せます。
② 遺言が無効になる可能性がある
自筆証書遺言の保管制度を利用しても、遺言書が有効になるとは限りません。
確かに法務局で形式的に審査されますが、有効性を確認するほどのものではないからです。
要式違反で無効になる可能性もありますし、遺言能力が失われていて無効となるリスクもあります。
より確実に遺言書を遺すには、弁護士へ相談しながら作成しましょう。
4,遺言書作成は弁護士へご相談ください
せっかく自筆証書遺言を作成しても、無効になってしまっては意味がありません。
京都の益川総合法律事務所では、遺言書の作成支援に積極的に取り組んでいます。
トラブルを効果的に防ぐための遺言内容についてアドバイスを行い、遺言書が無効にならないよう法的な観点からのチェックも可能です。
遺言書を作成される方は、お気軽にご相談ください。

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作り直された遺言書の効力~遺言書の撤回と取消について
一度は遺言書を作成しても、後に気が変わって書き換えたり破棄したりしたい状況があるものです。
- 遺言で多めに相続させた子どもと不仲になってしまった
- 遺言で少なめに相続させた子どもから、献身的に介護を受けたのでもっと多くの遺産を遺したい
- 事業承継をするケースで、後継者が変わった
- 財産を使ったので、遺産内容が変わってしまった
民法は、遺言の撤回や取消を認めていますが、撤回、取消にも一定のルールがあります。近年、最高裁判所で遺言の撤回についての新判断も出ています。
今回は、京都の弁護士が遺言書の撤回や取消の方法についてお伝えします。
遺言書を作成される方のみならず、発見された遺言書の効力を知りたい方にもお役に立つ内容ですので、是非ご確認ください。
1.遺言書の撤回、取消は自由にできる
いったん遺言書を作成しても、遺言者は自由に撤回や取消ができます(民法1022条)。
撤回部分は全部であっても一部であってもかまいません。
(遺言の撤回)
第1022条 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
反対に、1度遺言書を作成すると撤回しない限り以前の内容が有効なままとなります。もし、遺言書作成時と状況が変化したり気が変わったりしたら、早めに遺言書を撤回しましょう。
以下では法律の定める遺言撤回に関するルールをご紹介します。
2.以前と異なる内容の遺言書を作成する
遺言を撤回したい場合、以前と異なる内容の遺言書を作成するのが基本です。
以前と異なる内容の新しい遺言書を作成すると、自然に以前の遺言書の効力が失われます(民法1023条)。遺言書は「日付の新しいもの」が優先されるのです。
第1023条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。
ただし以前の遺言書のすべての部分が無効になるとは限りません。
新しい遺言書と以前の遺言書で「矛盾する部分」のみが無効になります。
遺言書の一部のみを書き換えたい場合には、法的には、以前の遺言の中で「変えたい部分のみ」を新しい遺言書に書き込めば足ります。
但し、以前の遺言と新しい遺言の「矛盾する部分」がどこかが争いになり得るので、当事務所としては、遺言書を書き換える時は、全部を書き換えることをおすすめしています。
3.遺言書を破棄する
以前に書いた遺言書を破棄したら、遺言書を撤回したことになり効果は失われます(民法1024条前段)。
第1024条 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。
■遺言書を破棄する方法
遺言書全体を撤回、取り消したい場合には、破って捨てるのが確実です。
破棄の方法があいまいな場合、自分では撤回したつもりでも撤回が認められない可能性があり、注意しなければなりません。
■遺言書を破棄する方法についての最高裁判例
最高裁判所において、遺言破棄の効果が争われた事例をご紹介します(最判平成27年11月20日)。
このケースでは、遺言者が遺言書作成後、遺言書の一部に赤斜線を引きました。
第1審と第2審は、「赤斜線が引かれても元の文字を判読できる以上、民法1024条前段の『故意に遺言書を破棄したとき』に該当せず、遺言は有効」と判断しました。
一方で最高裁判所は「遺言は無効」と判断しました。
理由は以下のとおりです(判決文をわかりやすく編集しています)。
「赤色のボールペンで遺言書の文面全体に斜線を引くと、一般的には遺言書全体を不要として全ての効力を失わせる意味の表れとみるのが相当である。故意に本件斜線を引く行為は、民法1024条前段の『故意に遺言書を破棄したとき』に該当するというべきで、本件遺言を撤回したものとみなされる。したがって遺言は効力を有しない」
この最高裁判決により、遺言書の一部に赤斜線を引いた場合には、遺言書全体が無効となることが確認されました。但し、このような曖昧な方法により遺言書を破棄すると争いの種になるので、好ましい方法ではありません。
4.遺贈の目的物を破棄する
遺言者が遺贈の目的物を破棄した場合にも、遺言書が無効になります(民法1024条後段)。
たとえば相続人へ骨董品などの動産を遺贈したけれども、その後気が変わって壊したら遺言の該当部分は無効です。
また遺贈した不動産を売却したり預貯金を使ってしまったりした場合にも遺言書の効力は失われます。
5.撤回の撤回はできない
遺言書を1度撤回しても、再度気が変わって「撤回の撤回」をしたい状況も考えられます。
しかし撤回の撤回は認められません(民法1025条)。
1度撤回した後に再度効果を復活させたい場合には、あらためて別の遺言書を作成する必要があります。
第1025条 前三条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が錯誤、詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。
■例外的に撤回の撤回ができるケース
詐欺や強迫によって遺言書を撤回した場合、例外的に撤回の撤回も認められます。
遺言書を撤回したい場合、間違った対応をすると上記の最高裁の事例のように撤回の効力があいまいになってしまいます。遺言書作成後に気が変わったときや状況に変化があったときには、弁護士のアドバイスを受けて撤回、取消を行うのが確実です。
6.最後に
当事務所では遺言書作成に関するサポートや遺言書の効力を争う事案について積極的に取り組んでいます。この2つの内容については一見矛盾するように見えるかもしれませんが、遺言書の効力を争う事案に取り組んでいるからこそ、そのような紛争にならない形での遺言書作成に関するサポートができると自負しております。
お困りの方はお気軽にご相談ください。

当事務所は、1983年創業の老舗法律事務所です。
遺産分割、遺留分侵害額請求、遺言書作成など、遺産相続案件に強い法律事務所であると自負しております。
お悩みの方は、是非お気軽にお問い合わせ下さい。
自筆証書遺言が発見され、弁護士のアドバイスに従い検認申立を行い、当事務所弁護士が遺言執行者に就任して、遺産の振り分けをした事例【相続解決事例④】
・キーワード
相続人調査、相続財産調査、検認申立、遺言執行者選任申し立て、遺言執行
・ご相談内容
ご依頼者の叔母様が自筆証書遺言を残し、お亡くなりになったと相談に来所されました。
叔母様には子どもがおらず、配偶者は既に死亡しており、相続人は甥・姪などでしたが、甥、姪がたくさんおられ、ご依頼者も全員を把握されていない状態でした。
また、遺言書に基づく遺産の分配についてもその方法等がわからず、対応に苦慮して当事務所に相談に来所されました。
・当事務所の対応及び結果
弁護士受任後、まずは、相続人全員の把握のため、戸籍等により相続人調査をおこない、相続人全員の住所・氏名、相続関係図等を作成しました。
また、弁護士のアドバイスにより、ご依頼者様自らで検認申立及び遺言執行者選任申し立てをしていただき、当事務所の弁護士が遺言執行者に就任しました。
遺言執行者に就任後には、相続人全員に叔母様の遺言内容を周知するとともに、各金融機関への残高照会、不動産の状況確認を行いました。
金融機関等への調査の結果、叔母様の遺言書に記載のない預貯金がみつかったため、当該遺産については法定相続分で分配することとし、相続人全員に事情を説明、全員から同意頂いた上で各分配手続を行いました。
・コメント
相続人の調査から遺言書の検認、遺言執行者の選任等、ご自身では対応出来ない点を弁護士がフォローするとともに、遺言執行者として遺言書に記載のない遺産の発見、相続人への報告及び分配が滞りなく行え、ご依頼者には大変満足していただけました。
※特定できない程度に内容をぼかしています。

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遺言書の書き方や注意点を書式つきで弁護士が解説
遺言書を作成するときには、無効にならないように正しい要式を守らなければなりません。
また、トラブルを防ぐためには、「遺留分」にも配慮する必要があります。
今回は正しい遺言書の書き方を書式付きでご紹介し、トラブルを招かないための注意点を京都の弁護士がお伝えします。
遺言書を作成する方はぜひ参考にしてみてください。
1.遺言書の書式
まずは典型的な遺言書の書式を確認しましょう。



2.遺言書の書き方
上記の書式を参考に、具体的な遺言書の書き方と注意点をお伝えします。
なお、この記事では「自筆証書遺言」を前提にご説明します。
自筆証書遺言とは、遺言者が全文を自筆する遺言書です。
できあがった遺言書は自分で管理する他、法務局に預けることもできます。
2-1.使用する紙やペンについて
自筆証書遺言を作成するとき、使用する紙やペンに指定はありません。
ただし鉛筆など消えてしまう可能性のあるものは不適切です。
消えないボールペンや油性ペンなどを利用しましょう。
2-2.全文自筆で書く
自筆証書遺言は、全文を遺言者が自筆しなければなりません。
一部でもパソコンを使ったり代筆をお願いしたりすると、無効になってしまいます。
日付やタイトルも含め、必ずすべての部分を自筆しましょう。
■遺産目録は例外
近年の法改正により、遺言書に添付する遺産目録のみ、自筆でなくてもよいことになりました。遺産目録とは、遺産内容を示す表です。
遺産目録については、パソコンを使って作成してもかまいません。不動産の全部事項証明書や預貯金通帳のコピーをそのまま添付する方法も有効です。
ただし遺産目録を自筆しない場合でも、目録のすべてのページに遺言者が署名押印しなければなりません。
単純に預金通帳のコピーなどを付けるだけでは無効になってしまうので注意しましょう。
2-3.遺産の相続方法を指定する
次にどの遺産を誰に引き継がせるのか、記載していきます。
このとき重要なのは、相続人の表示と財産の表示です。
■相続人の表記方法
相続人については被相続人との続柄、氏名、生年月日で特定します。
■財産の表記方法
財産については以下のように表記しましょう。
□不動産の表記
不動産については、登記事項証明書の「表題部」の記載をそのまま引き写してください。
土地の地番や建物の所在、家屋番号などの部分です。
住所表示とは異なるので、注意しましょう。
登記事項証明書は法務局へ申請すれば取り寄せられます。
□預貯金の表記
預貯金については、金融機関名と支店名、口座の種類、口座番号で特定します。
支店名が抜けたり口座番号を間違えたりすると、後に相続手続きを受け付けてもらえない可能性があるので、慎重に記載してください。
□株式の表記
株式については発行会社名と株式数により特定します。どこの証券会社に預けているのかも記載しましょう。
2-4.遺言執行者を指定する場合
遺言書で遺言執行者を指定しておくと、スムーズに相続手続きを進めやすくなります。
遺言執行者を指定する際には、その人の氏名や住所を記載しましょう。
上記の書式は弁護士を遺言執行者として指定するものです。
2-5.日付を入れる
遺言書には必ず日付を入れなければなりません。
作成した日付を自筆で記入しましょう。
2-6.署名押印する
遺言者が署名押印しなければ遺言書は有効になりません。
印鑑は認印でも有効ですが、信頼性を高めるためには実印を使うとよいでしょう。
3.遺留分にも配慮が必要
遺言書を作成する際には、相続人の「遺留分」にも配慮すべきです。遺留分とは一定の相続人に保障される最低限度の遺産割合です。
遺留分を侵害すると、死後に遺留分侵害額請求が起こってトラブルになるリスクがあるので、なるべく遺留分を侵害しないようにしましょう。
どうしても遺留分を侵害せざるをえない場合、付言事項で相続人へ遺留分侵害額請求をしないように伝えたり、侵害者(遺言により財産を多く取得する人)へ死亡保険金を受け取らせたりする対策方法を検討すべきです。
4.最後に
弁護士にご相談いただけましたら、今回ご説明した内容を踏まえて、遺言内容をご提案できますし、トラブルを可能な限り防止する方法もお伝えいたします。
京都・滋賀・大阪・兵庫で遺言書を作成しようと考えている方は、お気軽に当事務所までご相談ください。

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遺産相続に強い弁護士の特徴
遺産分割や遺留分など「相続」に関する案件を依頼するなら「遺産相続に強い弁護士」を選ぶべきです。
ひとことで「弁護士」といってもそれぞれ得意分野、専門分野があるので、誰でもよいわけではありません。また、人生にそう多くあるものではない重大事項を任せるのですから、相性も重要です。
今回は遺産相続に強い、頼りになる弁護士の特徴や選び方を京都の弁護士がご紹介しますので、相続案件のご依頼を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
1.遺産相続に強い弁護士の特徴
遺産相続に強い、頼りになる弁護士の特徴として、以下のような点をあげられます。
1-1.遺産相続の解決実績が豊富
1つは遺産相続案件についての解決実績です。
一般的に、数多くの遺産関係事件を解決した経験が多ければ、その分知識やノウハウも蓄積していると考えられます。
これまでの事件を参考にした実践的なアドバイスも期待できるでしょう。
当事務所は1983年創業の老舗法律事務所であり、これまで遺産額が8億円以上の大規模相続の案件や多数の不動産が絡む案件、権利関係が複雑で難しい案件など、多数の案件を解決して参りました。
解決実績として不足はないと自負しております。
1-2.遺産相続関係の業務を多く取り扱っている
過去にたくさんの遺産相続案件を取り扱っていても、現在はあまり取り扱っていない事務所もあります。積極的でない事務所に依頼しても、良い解決は望みにくいと思われます。
現在においても積極的に遺産分割や遺留分、遺言書作成等の案件に注力している弁護士事務所を選ぶことが重要です。
1-3.研究熱心
遺産相続分野においても、さまざまな法律や制度の変更があります。たとえば最近では相続法が大きく改正され、遺産分割や遺留分、遺言書についての取り扱いが変更されました。
依頼する弁護士を選ぶなら、法改正や制度の改正、判例の変更などについて研究熱心で最新の情報へ更新している人を選びましょう。
1-4.他業種と連携している
遺産相続案件を解決するには、弁護士だけではなく司法書士や税理士の力が必要となるケースが多々あります。
たとえば、相続税に関する税務相談や申告は税理士の業務となります。また、遺産の中に不動産が含まれていれば、司法書士へ登記を依頼しなければなりません。
相続に力を入れている弁護士は、通常税理士や司法書士とも連携して一丸となって案件の解決に取り組んでいるものです。弁護士を選ぶ際には、他業種と連携しているかどうかもチェックしましょう。
当事務所でも遺産相続案件に力を入れている税理士や司法書士と提携していますので、安心してご相談ください。
1-5.リスクも説明してくれる
遺産分割や遺留分請求などを行うとき、依頼者にとって有利な事情ばかりがあるとは限りません。ときにはリスクもあり、不利な状況となっているケースもあるでしょう。
誠実な弁護士は、メリットだけではなくデメリットやリスクも説明してくれるものです。
問題になりそうな点もはっきり指摘してくれる弁護士に注目してみてください(ただし消極的な対応で否定的な意見しか述べない弁護士には依頼すべきではありません)。
1-6.相性が良い、信頼できる
弁護士との相性も重要です。
実際に話してみて話しやすいと感じられる人、信頼感をもてる人を選びましょう。
話しにくい人を選んでしまうと、長い遺産相続案件解決までの道のりの中で、ストレスを感じてしまいます。
2.弁護士を選ぶときに重要な視点
上記以外にも、一般的に弁護士を選ぶ際には以下のような視点が重要です。
2-1.費用が明確である
1つは弁護士費用です。
費用体系が明確でわかりやすいかどうか確認しましょう。
2-2.コミュニケーションをとりやすい
弁護士とコミュニケーションをとりやすいかどうかも確認してください。
たとえば電話がつながりやすいか、つながらなかったとしても折り返してもらえるか、メールの返事は早いか、など弁護士事務所によって対応が大きく異なります。
メールは遅くとも3営業日以内には返信してくれる弁護士事務所がよいでしょう。
2-3.時間的場所的なアクセスが良い
アクセスも重要です。
弁護士に案件を依頼すると何度も通わねばならないので、なるべく交通アクセスの良い事務所を選びましょう。
また、夜間や土日祝日の相談を希望されているのであれば、相談日時についても柔軟に対応してもらえる弁護士事務所が良いです。ご事情に応じて依頼する弁護士事務所を決定しましょう。
3.最後に
当事務所は1983年の創業以来、数々の遺産相続案件を解決してまいりました。現在も法令や裁判例の研究を欠かさず、積極的に遺産分割や遺留分関係の案件を受任しております。
親身かつ迅速丁寧な対応を心がけておりますので、京都・滋賀・大阪・兵庫で弁護士をお探しの方はお気軽にご相談ください。

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勝って不満・負けて満足という感情
こんにちは。
弁護士の益川教親です。
今回は、これまでのご依頼者の中で、特に人の感情について勉強をさせて頂いた方の話をさせて頂きます。
私の弁護士としての信条は、「ご依頼者の納得」です。ご依頼者に、納得して頂くために、ご依頼者から念入りに話を伺い、ご依頼者の主張を法的に有利になる形で組み立てます。
私自身、ご依頼者にとって有利な形で解決することが、ご依頼者の納得にも繋がると信じている面があります。なので、こちらの主張を通そうと、説得的な理由を考えて、過去の裁判例を徹底的に調査しているのです。
ですが、必ずしも裁判で勝つことが、ご依頼者の納得につながるわけでは無いと学んだことがあります。
その案件も相続案件で、相手方がご依頼者のご兄弟だったのですが、互いの主張が真っ向からぶつかり合い、結果的に当方が勝訴して案件が終了しました。
私は、ご依頼者から念入りにお話しを伺って、裁判を通じて、ご依頼者の言いたいことも可能な限り法的に組み立てていましたし、結果も伴っているため、ご依頼者に納得頂けるものと信じていました。
しかし、結果としては、必ずしもそうではありませんでした。
案件が終了して、ご依頼者にお会いした際、すごい感謝しているし私に依頼して良かった旨のお話しをして頂きましたが、それと同時に、「こんなに勝ってしまって良かったのかしら。」とも仰っていました。
私は案件に勝てば、ご依頼者に納得して頂けると考えていたのですが、勝ちすぎてしまった際にそれがご依頼者の心理的な負担になり得ることを認識していませんでした。
「ご依頼者の納得」というのは、言うのは簡単なのですが、実際に行うのは簡単ではないと認識した瞬間でした。
ご依頼者の納得は必ずしも勝ちに連動しないことを学びましたし、だからこそ、ご依頼者と対話を重ねて、「真の納得」を探す作業を愚直に行うことが必要だと理解しました。
対して、この方とは反対に、負けても満足という方もいらっしゃいます。
その方には、ご依頼時点から、勝訴することは難しい旨お伝えしていたのですが、このままだと納得できないので、どうしても依頼したいと仰った方でした。
私もその方のご意向に従い、ご依頼を受けたのですが、やはり結果は敗訴となってしまいました。
敗訴後に、そのご依頼者にお会いすると、とてもすがすがしい顔で、あんだけやってもらって負けたのであれば、納得できると仰って頂きました。
このように負けても納得する方がいらっしゃいます。他方で、勝っても完全にご納得頂けないこともあります。
これらの経験から、「ご依頼者の納得」を得るためには、その方が本当に望んでいることが何かを、慎重に見極めることが必要であると考えるに至りました。
ご依頼者自身も、ご自身が何を望んでいるか分かっておられないケースもあるため、弁護士とご依頼者が対話を重ねることが必要だと思います。
私も、「ご依頼者の納得」を得られるよう、今後もご依頼者と対話を重ねていきたいと考えています。

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